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採択企画レポート

企画者

山崎広太

企画名

新人振付家育成のためのスタジオシリーズ

詳細

第1回レポート (2008年11月17日)

11月17日に、アーティストを中心にした、一部のアーティスト、一部のダンサー、一部の振付家、一部の評論家、一部のオーガナイザー(山崎始め、それほど大量の名簿を持っていないため一部にしました)の方々に宛てて送ったメールを、そのまま公開します。
また興味を持たれる方々の意見、参加も求めます。

ご無沙汰しております、山崎広太です。みなさまいかがお過ごしでしょうか?
それぞれにご活躍の皆様に、ダンスについて僕が最近考えていること、提案したい事を聞いていただきたくてご連絡しています。突然でごめんなさい。

私、山崎広太は2001年に日本を離れて7年の歳月が経ち、NYでアーティストとしての活動が定着しつつあります。そんな中、NYや欧米のダンス環境がどのようなシステムになっているか、次第に分かってきました。

分かるにつれ、少しずつ日本のダンス環境が客観的に見えてきました。

僕は、今現在、日本でのアーティスト同士にありがちな競争意識や、たえず自分のカンパニーで作品を上演しなければいけないといった意識は無くなりました。それはNYでアーティストとして活動できている所以です。
こういった自分の在り方は日本のダンスシーンにとって面白いポジションだし、それゆえ何かしら役割を果たせるのではないかと思うのです。

僕としては、日本でアーティスト同士、対談の場を作り、それぞれの問題意識などをリサーチしていきたい。
そして少しでも日本のダンス環境をより良くしていくためにNYでの経験を生かしたいです。
僕の問題意識や、それに対する提案を読んでいただき、まずは皆さんの考えや現状への思い、提案に対するご意見などをせつにお聞きしたく思います。

<具体的な問題意識>

コンテンポラリー・ダンスは通常、自由な表現形式とみなされるため、その定義が難しい。
ただし振付家/ダンサーにとって、作品や活動ごとその再定義を行なうことなしの創造はありえない。
誰もが楽しめるエンターテイメントとしてのダンスもあってしかりだが、時間芸術としてのダンス、身体もしかり。振付家/ダンサーが各々を見つめ、アートとしてのダンスを探求し、ダンス、身体を通して社会に何を伝えるのかを検証することや、アーティストが提示したことに対してコミュニケーションしあう環境が必要。
また、以下のような日本のコンテンポラリー・ダンスの現状を見つめ直していきたい。

  • 公演することにのみ重点が置かれがちな助成システム
  • 非効率的な劇場の公演システム
  • コンペティションを行なうオーガニゼーションによる評価の一元化の傾向
  • エンターテイメントとそれ以外のダンスとの混在状態

これらの問題意識に向き合い、サポートするシステムづくり、新しいオーガニゼーションの形態が必要不可欠だと痛感。そこで、

<新しい提案 「Body Arts Laboratory」>

アーティストが創りだすオーガニゼーション「Body Arts Laboratory」を提案したい。

このオーガニゼーションは、山崎広太からのメッセージを受けたアーティストや制作、研究者が、自由形態を保ちつつ、それぞれの方法で関わっていくオーガニゼーションである。いくつかの独立したプロジェクトが集まり、各プロジェクトを縦横無尽に行き来できるような、オープンでフラットな、アーティストの為の環境整備を目標とする。そこでは、振付家/ダンサー、評論家、オーガナイザーがそれぞれに孤立し一方向的に活動するのではなく、相互に批評しあうことがめざされる。

これらを実現するための第一歩として、

<大忘年会のお誘い>

アーティスト同士の対話から少しずつその方向性を探り、慎重に行動していくため、積極的な意見をお聞きする機会として忘年会を開催したいと考えます。

また忘年会などの人が集まる場所が苦手な方もいるかと思います。そこで

<メールや掲示板の書き込み、個人的な対話のお願い>

ぜひ感想など頂けると嬉しく思います。また忘年会とは別に、これから少しずつ一対一での対話を行ない、リサーチしていきたいと思っております。

■ オーガニゼーションメールアドレス

■ 下記に掲示板を設置してあります。今後活用して行く予定です。

http://jbbs.livedoor.jp/study/9915/

<Body Arts Laboratoryの構成>

このオーガニゼーションを現実的に運営するため、

  1. 運営の基礎活動を行うコアメンバー
  2. アーティスト中心のボードメンバー
  3. 客観的な意見を求めるサポートメンバー

によって構成。ただし、ボードメンバーとコアメンバーは常に入れ替わる可能性を持つ。その関係性は一律的なものではなく、常に融合的。

Body Arts Laboratoryのボードメンバー及びサポートメンバーは全面的に山崎広太の意見に賛同している必要はなく、むしろ、批判的な意見もあってしかるべきです。
関わる方各々が、独自の考え方のもとに何かしらの方法で、企画ひとつひとつを進めていく事の必要性を強く感じています。

<具体的な参加のお誘い>

ここにメールをしている皆様には、こちらで現在進行中のいくつかの企画に参加して頂きたいと思っています。また、新しい企画の提案も待っています。願わくば、このBody Arts Laboratoryのボードメンバー及びサポートメンバーとして参画を表明して頂きたいとも考えています。下記に今後の予定(具体的に進行中のプロジェクトから、全くどうなるのか分からない事まで)をいくつか挙げておきます。

例えば、山崎広太との対談希望というだけの参加表明でも歓迎です。ぜひ一度、対話をする機会にご参加ください。まずここまでの文章に対して感じたことを、BAL、山崎、または掲示板などに載せて頂くだけでも、今後の活動の原動力になります。

また、東京在住アーティストだけにならないようにして行きたいので、地方及び諸外国でのダンス、アート環境に対してのご意見やオリジナルプラン、アーティストのレジデンシーなど含めた、コメントも頂きたく思います。

安い料金でのスタジオ使用をできるスタジオ、又はそのスタジオとタイアップして、できる企画等も募集中です。

このような情報を現在進行形で収集し、発信できる、情報相互発信機関としても活動して行く予定です。

このような企画のいくつかが同時期に行われる事により、フェスティバル化することを計画しております。
第一回目は2009年6月後半より7月を予定。

■ 12月大忘年会
■ アーティスト対談<山崎広太と対談、対談記事をブログに掲載> (2008年12月開始)
■ リサーチ機関<生きた情報の交流、研究、分析>
==
■ 新人振付家の育成の為のスタジオ助成、スタジオパフォーマンス
(トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクトより助成)
■ 海外在住日本人ダンサーによる集中ワークショップ+ショウイング
■ 振付家がつくる振付家コンペティション
■ シェアプログラム
■ ダンス会議
■ パブリックスペースでの公演

<「Body Arts Laboratory」の立ち上げに関わっているメンバー>

  • 手塚夏子
  • 佐藤美紀
  • 印牧雅子
  • 浜本まり紗
  • Jou
  • 遠藤 豊
  • 嘉藤笑子

<山崎広太の日本滞在>

11月末〜2月末まで日本に滞在します。その期間には直接お会いしてお話しすることができますので、たくさんの方にお会いできたら嬉しく思います。

長文を最後まで読んで下さってありがとうございました!

山崎広太
(2008年11月17日)

■山崎広太 プロフィール:
ダンサー・振付家として活動する傍ら、1995年から2001年まで、ダンスカンパニーrosy Co主宰。90年代は、いろいろなジャンルのダンスが融合することが、少しでも日本のダンスの状況を変えることができるのではないかという思いから、いろいろなダンスのジャンルのダンサーを起用し作品を創る。
02年からNYにも活動の場を拡げ、東京とNY、または第三の国のダンス状況をリサーチ、比較しながら、日本にとってふさわしいダンスの環境を考える。振付家としては、セネガルのダンスカンパニーに振付た作品FAGAALAで、07年9月、New York Dance and Performance Award(ベッシー賞)をNYにて受賞。08年4月には、フィラデルフィアのダンスカンパニーシアターXに新作In-ouを振付、好評を得る。
現在は、バーモント州ベニントンカレッジでゲスト講師として、教鞭をとる。