採択企画レポート団体名NPO法人FPAP 企画名ITを活用した、アートマネジメントセミナー等のネット配信 (通称:ネットセミナー) 第4回レポート (2009年2月25日)「ITを活用した、アートマネジメントセミナー等のネット配信(通称:ネットセミナー)」 報告書
舞台芸術環境の地域間格差の緩和を重点テーマとします。アートマネジメント関連の各種セミナーは、アートマネージャーの多くが所在する首都圏で多く開催されています。今後、地域分権へと移行するにあたり、舞台芸術環境の地域間格差を緩和するためにも地域において優秀なアートマネージャーを育成していくシステムの確立が、今、必要とされています。国内4地域程度でのアートマネジメント向けのセミナー等のネット配信をおこないアートマネージャーの育成環境における地域間格差の緩和を目標とします。 3.企画終了後のふりかえりの中ででた所感
東京と各地域の人口比でいうと、各会場とも5人位集まればいいほうだと思っていましたが、各会場とも当初考えていたよりも多くの受講者が集まりました。
知識を得たいと感じている表現者・アートマネージャーが遠方のセミナー会場に行くというのは時間的金銭的観点から考えても、どうしても数が限られてしまいます。
セミナーをネットで受信するというのは家庭など、個人でもできますが、地域の拠点となる会場で受信し、集まってネットセミナーを受講することで、同じ地域に同じようなことに興味を持っているひとがいるということを感じ、交流することができます。
他にも、今回のネットセミナーで、東京会場で受信会場の声が流れた瞬間に会場の空気が変わったという意見がありました。 4.企画終了後のふりかえりの中ででた反省点 また、今回ネットセミナーを実際にやってみることで、何が課題となるか、どういうことに気をつければいいのかをより具体的に感じることができました。
まずは映像と音についてですが、映像に関しては、WEBカメラを利用して映像を配信していたので、カメラ位置を工夫してもゲストの顔がはっきり見えるようにピントをあわせるということまではできませんでした。
映像については、デジタルビデオカメラを使うと画質が向上しますが、現在のクオリティのままでも許容範囲ではあるため、技術が進歩して安価で高性能なWEBカメラの登場するのを待っても大丈夫だと思います。
次にインターネット回線についてですが、ファイヤーウォールやセキュリティの設定によっては、ustream・スカイプ等の配信サービスが利用できないこともあることがわかりました。会場選びの際に参考にすべき点となりそうです。また、無線LANよりも有線LANの環境のほうが安定していました。 ustream等での配信は、途中で音声と映像がストップしてしまうことがあります。回線の状況によるもので、しばらく待てば続きから始まるのですが、知らないとひやっとしてしまうので、セミナーの際に事前にアナウンスしたほうがよかったと感じました。 5.これからの課題解決にむけて
配信の方法自体は、簡単なパソコンやインターネットの知識があればできる程度のものです。 音質については許容範囲だと考えますが、その向上についてまだ努力の余地があります。その他の映像の質、回線についてなどは将来的な技術の発展を待つことができると考えます。 広報面の負担が大きいと考えられるので、最初はインターネット・口コミを中心とした受講者集めをし、できるだけ気軽に・簡単にできる状態で続けていくことで、徐々にネットセミナーというツールの認知度をあげていき、受信や発信の拠点となる地域を増やしていけるのではないかと考えています。 受信や発信の拠点となる地域が増えれば、東京発信だけではなく、地域から全国へ向けて発信するためのツールとしても利用できます。
今回の一回のネットセミナーでアートマネージャーの研修環境の改善ができるとは考えませんが、今回をきっかけに、ネットセミナーという方法を使い続けていくことで、将来的に地域間格差の緩和や地域間の交流を促し、芸術環境の改善につなげていくことができると感じています。
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