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パブリックコメント

投稿番号:62 企画名 感受性を磨く「ディープ・リスニング」

応募動機・現在抱えている課題
提案する企画を通じて改善したいアートマネジメント環境の基盤など

テレビやゲーム、インターネットが広く普及し、我々の周りはいつも様々な情報で溢れかえっています。それと引き換えに、表面的な情報のやり取りに始終し、もっと深いところで五感を使って「感じる」ということが置き去りにされています。
芸術表現の技術は日々進歩する中、芸術の発信者、受信者自身の感受性については、むしろ鈍化する環境が整っているのが現実です。
ふとした思いつきで真っ暗闇のなかで音だけを聴いてみよう、という試みから始まった実験的なワークショップで、視覚を強制的に遮断することによって、普段あまり意識することのない他の感覚器官がよみがえることにきづきました。特に聴覚器官である耳の感覚を鋭敏にすることによって、興味深い体験ができることを経験し、この手法が現代人の感受性を呼び戻すのに大変有効であると確信し、学校やその他で誰でも実施できるようにプログラムを一般化するための研究を進めたいという思いから、応募に至りました。

趣旨・重点テーマ
目標、なぜ今この企画の実現が必要なのか等

現代朗読協会では数年にわたり、独自に開発した「ディープ・リスニング」というプログラムを単独およびワークショップの一部として実施しています。これは視覚を極力制限した暗闇の中で、周囲に満ちている「音」に耳を澄ますことで、聴覚をきっかけに自分の中に日常に埋没して眠らされている感受性を呼び覚まし、アートを感じる感覚を磨こうというものです。
実験的なワークショップから試行錯誤を重ね、参加した多くの人が、聴覚を全開にしてやることで、各人の身体のさまざまなところがつられて覚醒してく感覚を体験しています。このプログラムを広く一般に普及することで、根底部分からの芸術文化環境の改善になると信じています。

内容
プロジェクトの具体的な最終形態

都内を中心に、月1回程度、1回約2時間(定員10〜20名程度)ディープリスニングワークショップを開催し、より多くの人に感受性の覚醒を体感してもらいます。

■現在のプログラム内容
(1) ガイダンス
(2)リサーチ(聴くことと話すことの関係の体験)
(3)音楽会話(各種の打楽器を用いて/聴覚以外で音を感じる体験)
(4)言葉によるイメージング(声をだして全員によるハーモニーを作っていきながら)
(5)ディープリスニングタイム(暗闇の中で)
(6)フィードバック(めざめた聴覚を実感するための、実演(音楽・朗読)の「鑑賞」もしくは「体験」)

また、現在は代表のみが主導して行っているプログラム内容を、一般向けにまとめ、学校やコミュニティ、団体、個人など、誰もが実施できるように確立し、広く一般に普及できる形にすることを最終目的とします。プログラムは最終的には小冊子(ガイドブック)、楽譜、CDの形にまとめ上げ、実施者のスキルや実施会場により、柔軟に組み合わせて利用できる形を目指します。

ワークショップ参加者からのフィードバックなどを基にプログラムを練り込みます。プロジェクト後期には、代表以外の実施者を立て、汎用性、使い勝手のチェックを行い、最終仕上げをします。

ネットTAMには、実施ガイドやサンプル音源の他、活用ヒントなどを掲載し、ディープ・リスニングの効果や活用方法が具体的に把握できるような工夫をして発信していきたいと思っています。

実現までのスケジュール
最長一年を目処

08年
7月
8月プロジェクトチーム立ち上げ、プロジェクト開始
9月
10月
11月
12月
ワークショップ開始(以降毎月1回開催)、ガイドブック・楽譜の執筆開始
09年
1月ガイドブック・楽譜・音源初版完成
2月代表以外の実施者によるワークショップ開始(以降毎月1回開催)
3月
4月
5月
ワークショップフィードバックを基に随時ガイドブック・楽譜・音源の改訂
6月 ガイドブック・楽譜・音源最終版完成、印刷、CD化



©NPO法人 現代朗読協会