パブリックコメント
投稿番号:43
企画名
定期稽古+ゼミ→『WAVE』
応募動機・現在抱えている課題
提案する企画を通じて改善したいアートマネジメント環境の基盤など
現在、東京には演劇を志す無数の若者がいる。劇団公演に大小様々な企画公演など、質さえ問わなければ出会いの数はほぼ無限といってよい。その可能性を逃すのが惜しいばかりにアルバイトに身を削り、がむしゃらに「場数」を重ねる上昇志向の持ち主もまた多い。だが、俳優やカンパニーが真に成長し、良い作品を生み出すために必要なのは表面的な「上昇」ではなく、表現者として充実した内面を創ることであるはずだ。
現代は表現のジャンルが多様化し、誰もが表現者になり得る可能性を持っている。にも関わらず、お互いの才能を必要としあえる表現者同士が出会える確率は大変低い。例えば演劇の場合、役者志望者が演出家の存在を知った上でその公演に出演を希望する、というのが出会いの一般的な方法だからである。期間も人数も限定された公演への参加となると、出会えるかどうかはある程度の運任せとなってしまう。
私達は以上の課題を解決する方法として、古くから演劇が育んできた「稽古場」をかつてなくオープンな「場」として再生・発展させることを提案したい。それによってただただ「面白いものが創りたい」「本物の実力をつけたい」という若者の創作欲に正面から答えられる「場所」を構築しようと思う。そこは、従来の公演に参加するという形ではなく、もっと気軽に新しい才能に出会える「場所」にもなるはずだ。
趣旨・重点テーマ
目標、なぜ今この企画の実現が必要なのか等
演劇に必要なものは至ってシンプルだ。人間がいて、演劇をしようと思う心があればそれでいい。しかし、金銭的・時間的理由から演劇を続けられない人が大勢いる。演劇をやりたい人同士を集め繋げること、その場所を用意することが、一人ではひどく難しいからだ。
定期的な公演を行っている当劇団では「稽古場」をすでに持っている。私達は劇団の定期稽古をセミパブリックな場としてオープンにしていこう。新しい演出家・役者・講師と出会いたいと考えている全ての人が、気軽に参加できる稽古場を開放しよう。
心あるすべての才能に、演劇を始め、力を養い、そして続けていく可能性をもたらすために。我々の発信した波にどこかの誰かが共鳴して次の波が起こることを願って。
内容
プロジェクトの具体的な最終形態
◆月10回未満の公演を前提としないオープンレッスンを実施。
参加者は劇団員に限定せず、プロ・アマ問わず開かれたものとする。当劇団の演出家が指揮を執る“定期稽古”をはじめ、他劇団の演出家や、ダンサー、ボイストレーナーなど様々なジャンルから講師を招いたり、普段は一俳優として参加しているメンバーが講師を務めたりする。この稽古場は単に俳優の修行の場ではなく、演出家やワークショップリーダーなど指導者にとっての修行の場にもなっていくことを目指す。
一方で参加者の質は保ちたい。あくまでも能力や嗜好など表現への共通認識のある人間が集うために、年に数回はセレクションを兼ねたワークショップ・オーディションを行う。また、それ以外でも実力のある俳優を個別で勧誘し、上質で適度に開かれた稽古場の実現を目指す。
◆会社員でも参加できるよう時間帯は18時〜22時に設定する。
◆人数上限は15人〜25人程度(内容次第)
◆講師には報酬を出す。
例えばダンスの公演を観にいって素晴らしいダンサーが居たとする。一度でいいから間近で指導してもらいたい、と思っても一人では、そもそも誘いの声をかけることはもちろん、レッスンを受ける場所の確保や謝礼の負担もあり、なかなか実現は難しい。だが、定期的に開催できる場所があり、常に一定の人数が集まってくる空間なら、個々の負担も少なく、先方への講師依頼も行いやすい。
また普段、講師ではない表現者が共通言語のない表現者に出会うということは、その表現者にとっても貴重な経験となるだろう。「教える」という形で対象化された自己の表現を見つめ直す機会になるはずだ。
参加メンバー
・芝居をはじめようと思っている人
・特定の集団から離脱するなどして稽古をする環境が無い人、演劇を続ける手段のない人
・現場を持ってはいるが、更なる向上を目指したい人。
講師候補
・ダンスやパントマイムをはじめ、特殊技能を持っているが講師を職業とはしていない人
・若手・ベテラン問わず、演出家、あるいは作家。
・俳優をはじめ様々な出会いを求めている演出家、あるいは作家。
・異なるジャンルで活躍する人達との架け橋となることもできる。
低価格
・専門学校のように大規模な設備投資を行わないため低価格が実現できる
持続可能な演劇生活 講師、受講者双方にとって実力を練磨する場、経済的に得をする場となる。
【日本演劇界をどう変えたいのか(プロジェクト最終形態)】
当劇団の提案する「WAVE」は何ら特権的な組織になることを目指していない。講師へのアプローチ方法(決定までは肩書きのみ、決定後は本人同意を得て講師名発表)および、レッスンごとの内容や、参加者の感想・向上したと思われる技術などを、ネットTAM・劇団WEBサイトで公開していく。同じようなネットワークが構築されていけばしめたものだ。これは自力で楽に作る、草の根の演劇学校とでもいうべき企画だ。ゆるやかな拘束のもとに活発に交流するオープンな稽古場と、本公演のために集中する閉じた稽古場と、その両方が充実していけばそこから産み出される「作品」は必ず上質なものになるだろう。
実現までのスケジュール
最長一年を目処
08年 |
7月 |
- 『7月のwave』(全6回)開催
- 9月参加者・11月講師確定
- 10月参加者公募開始(専用メーリングリスト、劇団web、チラシ配布等)
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8月 |
- 『8月のwave』(全6回)開催
- 10月参加者・12月講師確定
- 11月参加者公募開始
- 『7月のwave』成果レポート(講師側・参加者側それぞれより)web上にて公表
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9月 |
- 『9月のwave』(全6回)開催
- 11月参加者・1月講師確定
- 12月参加者公募開始
- 『8月のwave』成果レポート公表
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10月 |
- 『10月のwave』(全6回)開催
- 12月参加者・2月講師確定
- 1月参加者公募開始
- 『9月のwave』成果レポート公表
- 劇団公演時に配布するパンフレットで『wave』成果発表/09年waveの定期参加希望者公募案内掲載
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11月 |
- 『11月のwave』(全6回)開催
- 1月参加者・3月講師確定
- 2月参加者公募開始
- 『10月のwave』成果レポート公表
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12月 |
- 『12月のwave』(全6回)開催
- 2月参加者・4月講師確定
- 2月参加者公募開始
- 『11月のwave』成果レポート公表
- 09年の定期参加者確定、09年用waveメーリングリスト作成
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09年 |
1月 |
- 『12月のwave』(全6回)開催
- 2月参加者・4月講師確定
- 3月参加者公募開始
- 『11月のwave』成果レポート公表
- 『08年のwave』成果について、プレスリリース発送
- 他劇団への『出張wave』開始。劇団演出家が講師として出張する。
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2月以降 |
先月までのスケジュールを踏襲し、随時講師確定、参加者募集、レッスンを行う
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