パブリックコメント
投稿番号:38
企画名
現役音大生・音大卒業者への就職に対する意識調査を行い、問題を「見える化」する
応募動機・現在抱えている課題
提案する企画を通じて改善したいアートマネジメント環境の基盤など
私がアマチュアとしてオーケストラで活動する中で出会った音大生は、専門的な知識や技術を持っていながら、演奏家にはなれず、多くが無職か、音楽と何も関係のない職業についていく。
彼らのような人間がマネージメントなどの周辺産業と出会う機会があったら業界のレベルアップにも繋がる良質な人材となりうると考え、今回の企画を提案する。
趣旨・重点テーマ
目標、なぜ今この企画の実現が必要なのか等
専門的な知識を持った人材を「演奏バカ」で終わらせず、演奏家以外で音楽にプロとして関わり続ける環境作りを提言するための基礎調査を行う。
本提案では大規模な定量調査を行うことにより、一般大学生との就職観、実際の就職先の差、希望などを改めて「見える化」することを通じて、説得力のある提言を作りこんでいく事を目指す。
内容
プロジェクトの具体的な最終形態
■ 背景
日本の音大卒業生の就職率は現在、50%を下回っているといわれる(*)。数値の上では、超氷河期の中でも就職率が最低であった2003年の四年制大学卒業生の就職率である55.1%(**)よりなお悪い。
そのような現状に対して、音大側も就職セミナーを開くなど、さまざまな施策を打っているが、実を結んでいるとは言い難い。そして、最近は一般大学でも就職課は学生にとって必要不可欠なものではなくなってきていること、そもそも音大生にとって音楽と無関係の一般企業への就職が積極的な選択肢であるのか疑問であることを考えると、このような一般企業への就職を前提とした学校による支援は土台とはなれど、直接学生の将来的なキャリア形成に結びつくものとは考えづらい。
本提案はこうした現状を踏まえ、複数地域の音大生/元音大生へ定量調査を行い、一般の四年制大学の在学生/卒業生の就職意識と比較することで、その解決の糸口を探るものである。この調査結果はTAMでの公開と併せて音大・一般メディアへも送付され、問題提起の一助となることが期待される。
この調査はそれだけでアートマネジメントの現場の問題を解決する性質のものではないが、現状を正確に把握することが出来る調査を行うことはすべての入り口であり、社会的意義も高いと考える。
■ 仮説
音大生は一般大学生に比べ、就職活動において専門分野を生かしたいと思う気持ちが強い。
よって、演奏家にならない多くの音大生に必要なのはプロとして音楽周辺産業に携わるための技能であり、その魅力に気づく機会である。
■ 施策
1)就職活動中の現役音大生、新卒として働いている音大卒業生、卒業後10年経った音大卒業生、そしてそれぞれに対応する統制群(一般四年制大学生及び卒業生)へのアンケートを用いた定量調査と比較分析
2)上記音大関連3グループから抽出したサンプルに対して対面調査を行い、データだけでは難しい、より深い洞察を得る
3)結果を提言とともに新聞などメディア、各音楽大学宛に送付(それぞれ面会し、趣旨を説明)
■ 備考
●予算の制限もあり、音大生に対する調査に関しては各音大の協力を得るものとする
●統制群である一般学生については、同様の質問をオンライン調査会社を通じて行う
●マスコミ向けの発表や関係各所との折衝には権威有る調査主体があると大変有利であり、TAM(トヨタ自動車株式会社)または社団法人企業メセナ協議会の名義を使うことが重要であると考える
●将来的にはメセナの一形態として、企業から寄附講座のような形で所有のホールの運営関係者を派遣し、音大で講義を行うような形を考えている。
(*)ダイヤモンドオンライン2007年10月26日「音楽と仕事の両立なるか!?パソナが音大生向け就職支援」より
(**)文部科学省 「学校基本調査」より
実現までのスケジュール
最長一年を目処
08年 |
7月 |
調査設計・音大への調査協力依頼開始 |
8月 |
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9月 |
調査票配布 |
10月 |
調査票回収・オンライン調査実施 |
11月 |
インタビュー開始 |
12月 |
調査分析 |
09年 |
1月 |
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2月 |
調査結果リリース作成・発表。音大・メディアを訪問し説明 |
3月 |
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4月 |
終了 |
5月 |
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6月 |
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