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パブリックコメント

投稿番号:7 企画名
DVパッケージの制作販売による
アート・アニメーションの自立発展のための支援プロジェクト

応募動機・現在抱えている課題
提案する企画を通じて改善したいアートマネジメント環境の基盤など

背景

近年、国の掲げる「コンテンツ立国」に基づくコ・フェスタの開催など、コンテンツ産業への援助は比較的積極的に行われています。しかし、具体的にその内容を見ていくと、あくまでも輸出産業としてのアニメ・ゲームコンテンツビジネスとしての形を想定された産業支援が多いのが現状です。

一方、山村浩二さんらを教授に迎えた東京芸術大学大学院でのアニメーション専攻コースの設立など制作者への教育環境面での改善もみられます。

ただ、一般的には、山村浩二さんのような個人の映像作家による総合芸術としてのアニメーション表現は未だに知られておらず、コンテストや上映会、WEBサイトで散発的にしか観ることが出来ません。

現在、アニメーション表現は最も同時代的な表現方法の一つとして非常に活性化している分野であると考えており、その基盤整備の必要性を痛感しております。

こうした考えのもと、継続的に上映イベントの開催や教育分野での上映や講義を行っております。しかし、この方法は作家間の交流とコアとなるファン層への一定の訴求効果はありますが、一般に向けた分野としてのアートアニメーションの認知向上・文化としての定着のためのシステムとしてはあまりに非効率です。

マネジメント方法

映像メディアの複製芸術としての特性を生かし、限定的な上映権を含めDVDなどパッケージ制作を行います。
各種教育機関・図書館・一般向けに販売を行うことでイベント上映という時間と場所を限定した“点”での展開から各地に広く散らばる“面”として展開し、さらには場所と時間の両面から、立体的に自主制作アニメーションを普及していきます。それぞれの施設において上映していくことで、映像文化としてのアニメーションを広く知ってもらいたいと考えています。

また同時に、アートアニメーション制作者の経済的な支援をパッケージや作品関連グッズの製作販売により行っていきます。

さらに上記に加え、自主制作アニメーションは作品を作家個人が保管する場合が多く、今後散逸してしまうおそれがあります。これを大学、図書館、愛好家などにパッケージとして保管してもらうことで、長期的には分担されたアーカイブ化としての効果もあります。

趣旨・重点テーマ
目標、なぜ今この企画の実現が必要なのか等

自主制作により制作されたアートアニメーションの持続的な発展手法の構築を主たる目的とする。そのための手段として、優れた作品を集めてパッケージ化し、公共性の高い機関に対する販売とイベント連動による草の根的な販売をおこなう。作家へは経済的な支援を行ない、受け手側にはより広い範囲での認知と理解を訴求していく。

作家自身がパッケージ販売をおこなうのは、マーケティングや営業活動などの時間的な負担も大きく、経済的にも負担となる。また、自主制作のアニメーションがジャンルとして認知されていないため、わかりやすく紹介する意味でも一種の編集的な視点でのディレクションが必要だと考える。

また、音楽におけるインディーズCDレーベルのように映像レーベルの成功に繋がれば、それ自体が先行事例となり、さらなる活性化にも繋がる。

目的
  • 優れたアニメーション作品の文化的な価値を広め、一般への認知を高める
  • コンテスト入賞賞金以外での作品への対価がない各作家への経済的支援
  • 流通による制作の動機付け(モチベーションの向上)と後続への教育効果
  • 図書館、大学などにおけるアーカイブ化による作品の文化的な資産化・保存として

内容
プロジェクトの具体的な最終形態

  • インディペンデントアニメーションDVD 『animatics』(仮題)を制作する。
  • 近年国内の若手作家によりで制作されたアニメーションの中から優れた作品を選び、収録する。
  • DVD1本に一つのテーマを切り口とした10作家の作品を選定する。物語のあるベーシックなアニメーション作品や、抽象的で音楽的な作品などを、パッケージごとにテーマで分け、いくつかのタイトルを企画し、順次販売する。
  • 発売後は、巡回上映と販売のイベントツアーを全国数カ所で行なう。その際、近くに在住する作家を招き、制作過程についてのアーティスト・トークや、ディスカッションなどを実施する。
  • 各地で行われる上映会での委託販売、NADiff などのアートショップでの委託販売、オンラインでの直接販売を行なう。
  • 教育機関に対しては、通常の広告送付の他、作家を通じた案内を行い、購入並びに収蔵を依頼する。 あわせて、雑誌等各種媒体向けの告知や掲載依頼による広告活動をおこなう。
  • 販売数・売上にあわせ、各作家への売上還元を行い、そのノウハウを作家と共有していくことで、経済的に自立した継続的な活動の土壌を育てる。
    また、パッケージの販売を通じ、自主制作アニメーションへの支援者を増やしていく。

成果報告はDVDパッケージならびに関連チラシ等の提出、ならび月例報告書と2009年3月時点での売上等を元にした成果と経過のまとめ、ならびに課題・見通しに関する報告レポートの制作によって行なう。またネット公開・紹介用の短い総集編を制作し、データ提供する。

実現までのスケジュール
最長一年を目処

08年
7月(まで) 作品選定/各作家に対する趣旨の説明と作品権利交渉
8月 編集、パッケージデザイン制作、「広島国際アニメーションフェスティバル」での告知
9月 広告活動(各種媒体向け)/流通、販売店交渉
10月 販売開始/販売記念上映イベント等の企画
11月(から) 大学・図書館などへの販売告知/収蔵依頼、名古屋大学野依講堂 『みんなで育てるアニメーション』での連動企画、巡回上映販売(各地)
09年
3月 『TAFF’09』での連動企画
4月 成果報告レポート作成