投稿番号:6
企画名
REALTOKYO オーディエンス支援プログラム
「オーディエンス・イン・レジデンス」
応募動機・現在抱えている課題
提案する企画を通じて改善したいアートマネジメント環境の基盤など
映画、演劇、ダンス、音楽、アート、文学、批評など芸術文化の各領域において、新しい才能は次々に生まれてきます。しかし昨今、とりわけ日本をはじめとする非欧米諸国では、レベルの高い独創的な作品が激減する一方、幼稚で一発芸的なものが溢れかえり、「子供っぽさ」に開きなおるような傾向さえ見られます。
様々な理由が考えられますが、おそらく最大の原因は、若い世代が先人の業績や同時代の一流表現に接する機会が少ないからでしょう。適切な教育が行われず、情報が行き渡らないせいもあるでしょうが、経済的な事情も少なからず影響しているように思われます。
本企画は10年後、20年後を見据え、日本と世界の芸術表現に資する人材を、長期的かつ本格的に発掘・育成しようとするものです。すでに表現に携わっている者への直接的な支援ではなく、将来優秀な表現者になりうる意欲的な若者に傑作・名作を鑑賞する機会を与え、まずは「見巧者」を育てることにより、芸術文化の正統に連なる表現者の誕生につなげることを試みます。
趣旨・重点テーマ
目標、なぜ今この企画の実現が必要なのか等
アーティスト支援の一方法として、作家を一定期間ある土地に滞在させ、作品づくりのための好環境を与える「アーティスト・イン・レジデンス」という制度があります。「オーディエンス=観客/聴衆」にとっての「レジデンス=滞在場所」とは、バーチャルな情報ではなく、リアルな劇場、ホール、美術館、映画館などでの「鑑賞機会」にほかなりません。
本企画は、興行関係者に協力を求め、才能ある若者に名作を鑑賞する機会を原則的に無償で与え、併せてレビューの執筆を義務づけるものです。専門家による「何を観る/聴くべきか」という指針と若年層には高価に過ぎるチケットを供与し、一流の芸術表現をリアルに体験/体感させる。本企画を「オーディエンス・イン・レジデンス」と名づける所以です。
交換条件としてレビューの提出を義務づけ、言語化による体験/体感の内在化も図ります。掲載媒体はプロが寄稿するカルチャーウェブマガジン『REALTOKYO』であり、副次的な効果として、レビューによる言論シーンの活性化も期待できます。
内容
プロジェクトの具体的な最終形態
将来、表現者となることを希望する学生(高校生、専門学校生、大学生、大学院生)の中から、公募により若干名を選抜し、「オーディエンス支援プログラム実行委員会」が推奨・指定する芸術作品を原則的に無料で鑑賞させます(年間50〜100本程度)。
選抜された者には、月に1本以上、鑑賞レポート(レビュー)を提出することを義務づけます。優秀なレビューは編集者チェックを経た後に英訳もし、カルチャーウェブマガジン『REALTOKYO』に和英双方を掲載。当面は国内限定としますが、近い将来には、日本から海外への派遣、逆に海外から日本への招聘も検討します。
併せて、選考委員がレビューを講評し、選抜された学生と一般を対象にレクチャーする公開の「座学」を年に2回開催します。
実現までのスケジュール
最長一年を目処
08年 |
7月 | 実行委員最終決定、実行委員会において応募要項検討開始、協賛団体、企業、個人などへの営業、打ち合わせ開始 |
10月 | 応募要項決定、告知開始(『REALTOKYO』『REALKYOTO』『ART iT』等)、パブリシティ活動開始 |
12月 | 応募締切/初年度予算決定 |
09年 |
1月 | 書類選考開始 |
2月 | 書類選考終了 |
3月 | 面接、最終選考(当選者は1〜5名) |
4月 | 当選者発表〜特典開始 |
5月 | 初年度第1回レポート掲載 |