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投稿番号:10 企画名
芸術団体のための「ファンドレイジング・オペレーション・ハンドブック〜個人寄付開拓編〜」作成・発行および関連企画

応募者名

芸術団体のためのファンドレイジング・アクション・コミティー
(FACA:Fundraising Action Committee for the Arts)

今回、この「トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクト」への助成申請を機に芸術団体のファンドレイジング活動を積極的に推し進める一助となるべく設立。メンバーそれぞれが日本およびアメリカの芸術団体で働いた経験を持つ。また、芸術団体の抜本的な経営体制および手法等に対し高い問題意識を持ちながらその現実的かつ有効な解決策を模索する活動、研究を各人のエリアで現在も行っている。

応募動機・現在抱えている課題
提案する企画を通じて改善したいアートマネジメント環境の基盤など

昨今、日本でもNPOの法人格を有する非営利団体の数は33,000を超え、それら非営利団体が様々な分野で社会・文化活動を支えている。しかし、非営利セクターが急速に発達・拡大する一方、その運営を支える資金源の強化を促す仕組みが追いつかず、多くの団体は脆弱な経営基盤から抜け出すことができない状態にある。文化芸術団体においては、事業収入で賄えない部分について、これまで政府からの助成金や企業からの協賛金に頼る傾向が強かったが、政策や景気によって大きく左右されるこの様な財源だけに依存し過ぎることはリスクが高い。

その対策として、今後は個人寄付の分野を開拓し団体の末永いファンになってくれるような個人支援者を増やす活動が不可欠であると考える。しかし、専任のファンドレイザーを置くだけの基盤が整っていない団体がまだ多く、他の仕事を兼務するスタッフがファンドレイジングについての知識・具体的な手法の足りない状態で資金開拓に取り組まなくてはいけない、という現状にある。
そこで、個人寄付獲得に至るための戦略と実行ステップを「ファンドレイジング・オペレーション・ハンドブック〜個人寄付開拓編〜」にまとめることにより、現場での実践を可能にする本企画をここに提案したい。芸術団体の経営安定化に不可欠なファンドレイジング活動において、その実践策の1つを具体的に推進するべく、今回この助成プロジェクトに応募することとした。
また、完成したハンドブックをより多くの芸術団体と共有し、それに対するフィードバックを団体の現場から広く得るために、知名度の高いネットTAMに掲載できることが最善の策と考える。

趣旨・重点テーマ
目標、なぜ今この企画の実現が必要なのか等

今や「ファンドレイジング」という言葉は公用語となり芸術団体においては不可欠な日常業務になりつつある。また、欧米の成功事例を研究するセミナーも多く開催されその関心の高さが伺える。しかし、「ファンドレイジングの概要や手法についてのセミナーに参加してもそこで得た知識を実践することができない」という声がよく聞かれる。それはスタッフが別な仕事を兼務しているためファンドレイジングに充てられる時間が限られている、問題が大きすぎて何から手をつければよいのか分からない、などの理由が挙げられる。

その様な状況を打破するために、各芸術団体の財政規模や顧客層に即した個人寄付開拓の基礎作りを分かりやすいステップを踏みながら実践へ導くハンドブックを作成・発行する。作成者の意向に偏ることなくより実践的なハンドブックの完成を目指す上で、芸術団体の実務担当者との意見交換を事前に行い、現場の意見が反映された「使える」ハンドブック作りを目指す。
本企画のもう一つの試みは現場のファンドレイジング担当者のネットワーク作りである。将来的にはファンドレイジングに携わる「ファンドレイザー」を専門家として養成し、芸術ジャンルの壁を越えた情報交換の場を提供できる様なネットワークが必要になると考える。今回の企画では、ハンドブック完成後のワークショップ開催を機に、団体実務担当者をつなぐネットワークの構築を図る。

内容
プロジェクトの具体的な最終形態

概要:
本企画では、個人寄付に焦点を絞った「ファンドレイジング・オペレーション・ハンドブック」の発行を助成該当期間(1年間)のほぼ中間地点に置き、その前半には芸術団体現場担当者からの意見をハンドブック原案に反映することを目的とする意見交換会を開催し、ハンドブック完成後にはその活用ワークショップ(ネットTAM上で参加者募集)を開催する。ワークショップでは実践をシュミレーションし、参加者はその活用方法を成果として持ち帰り、それぞれの現場で応用実践してもらうことを目指す。また、本企画の仕上げとして、ワークショップ参加者を中心に、ファンドレイジング実務担当者のネットワークを構築し、「ファンドレイザー」のプロフェッショナル化を目指す上での第一歩とする。

基本的な流れ:
ハンドブック原案作成→意見交換会開催→ハンドブック完成→ハンドブック活用ワークショップ開催→現場担当者ネットワークの構築

ハンドブック内容案:
コンセプトの説明だけに留まらず、個人寄付開拓を実践する為に不可欠なオペレーションのノウハウをステップ(寄付開拓目標額設定から、団体の年度周期オペレーションに沿ったアクション・プランまで)として提示する。またステップを実行するために有効な具体的ツール(手紙サンプルや年間計画カレンダーのテンプレート等)や日米の成功事例も併せて提供する。尚、ハンドブックはPDFファイルでネットTAM上から無料ダウンロード出来ることとし、広く一般に提供する。

アウトライン(予定):

  1. 個人寄付開拓目標額設定
  2. 見込寄付者の種類・ランク別リストの作成
  3. 見込寄付者ランク別アクション・プランの設定
  4. 見込寄付者ランク及びアクション・プラン別コミュニケーションツール
  5. 既存寄付者の保持及びランク・アップ
  6. ファンドレイジング・イベントの企画・運営
  7. その他:手紙、ハガキ及び営業パッケージサンプル、年間企画カレンダー、日米成功事例集

実現までのスケジュール
最長一年を目処

08年
7月ハンドブック掲載項目・体裁等アウトラインの決定、国内・海外事例調査及び資料調達準備
8月「ハンドブック原案」執筆開始、国内・海外資料調達及び資料翻訳開始
9月芸術団体現場担当者へ「ハンドブック原案意見交換会」(11月開催)参加依頼、準備開始
10月「ハンドブック原案」仕上げ
11月「ハンドブック原案」完成及び芸術団体現場担当者との「ハンドブック原案意見交換会」開催
12月意見交換会での成果を「ハンドブック原案」に反映・改善及び不足資料の調達
09年
1月「ハンドブック発行版」仕上げ
2月「ハンドブック発行版」完成、「ハンドブック活用ワークショップ」(5月開催)講師依頼、広報開始
3月「ハンドブック活用ワークショップ」準備・広報
4月「ハンドブック活用ワークショップ」準備(参加者リスト、必要備品発注含む)・広報、ネットTAMハンドブック配布準備
5月「ハンドブック活用ワークショップ」開催
6月報告書作成、参加者メーリングリスト等今後のネットワーク構築


©FACA