2020年4月からnote(https://note.com/ap_sato)に日々の出来事を書き留めていた。その日にあったことや気になるニュース、思い出したことをWordにメモし、約1ヶ月半後に1週間分をまとめて公開した。中断を挟みながら、3年で68週分を投稿し、文字数は合計22万字を超えていた。
昔から日記は苦手だった。続かないと分かっているので、そもそも、やろうと思ったことすら、ほとんどない。それでも今回辛うじて続いたのは、2011年の震災後の経験に後押しされたからだった。
渦中の熱は、思ったよりも早く冷める。日常が戻ってくる力は強い。あっという間に非常時の取り組みは“特例”となる。非常時に現れた課題や可能性は、平時のありかたに再考をうながすものだ。それに渦中で“気がついてしまった”人たちは取り残される。戻れる人がいれば、戻れない人がいるのだ。
変わらなかったことを嘆く前に、ちゃんと思い出すことからはじめたい。そのとき、記録は役に立つ。そう思いながら準備に3年を費やした、10年越しのリベンジマッチは、これからが本番だ。オンラインでは多くの表現も残されている。いま、コロナ禍を読み返すタイミングなのだと思う。

▼ アサダワタル コロナ禍における緊急アンケートコンサート「声の質問19 / 19 Vocal Questions」。5類移行を前に2021年の上演映像がYouTubeで公開された。
https://youtu.be/GiiVe-rv5JI