コロナ禍でコンサートの代替として普及した映像配信は、様々な理由でホールに来場できない人への新たなアクセスになりました。さらに、チャットなどで交流しながらコンサートをヴァーチャルな共同体験として楽しむ音楽鑑賞スタイルが一気に浸透し、新たな可能性が生まれています。

一方で、厳しい感染症対策のために多くの人が音楽へのアクセスを失いました。市民の音楽活動はいまだほとんど再開できていません。また、子どもやシニア、障害者が著しく音楽参加の機会を奪われていることを危惧しています。人が集まり、同じ空間と時間を共有することでしか得られない体験は、その代替を見つけることが非常に困難です。

公共ホールは地域社会の音楽のよりどころです。
どんな時にも音楽で人がつながり、まちを豊かに鳴らす存在でありたい。
今こそ、音楽との多様な関わりを提案できる知恵が求められていると感じます。