第1回TAMスクール開催
トヨタ自動車株式会社 東京本社
ネットTAMではこのたびアートマネジメントの現場で活動されている方々を対象にともに学び考える場をつくるTAMスクールを開催します。
トヨタ・アート・マネジメントの起点である「トヨタ・アート・マネジメント講座(TAM講座)」は、アートを通して地域社会を活性化する「地域のアートマネージャー」を育成し、各地域におけるアートマネジメントの活性化を目的として1996年より8年間実施しました。その後、2004年にインターネットに場を移し、講座の成果を継承・発展させるべく、アートマネジメントの総合情報サイト「ネットTAM」を開設し現在に至っています。
その間、国では2001年の文化芸術基本法から2017年に法改正され文化芸術基本法が制定され、各自治体では地域アーツカウンシルがスタートし始めました。教育機関においてはカリキュラムの導入、巷では各地域のアートプロジェクトの増加など、アートを取り巻く環境が大きく変化し、さまざまな課題を抱えつつも社会との関係性の多様化によりアートの存在が拡張してきました。
そして、昨年2020年に突如発生した人類最大の危機、新型コロナウイルスのパンデミックによりアートは危機だけに及ばず、新たな転換期に直面しています。
ネットTAMではこれまでのトヨタ・アート・マネジメントの25年を振り返りつつ、アートと社会の関係性をあらためて見つめ直し、アートマネジメントの未来を皆さまとともに考えたいと思っています。
「アートマネジメント」は、いま変容し始めています。プロデューサーがプロジェクトや関与者を"タテ"にマネジメントするだけではなく、さまざまなアビリティを持った人たちが集まって"ヨコ"に協力し合う。そして状況の変化やデジタル技術の進展を受けて、ヨコのつながりもまた多様になってきています。次代のアートプロジェクトはいったいどのようにオーガナイズされるのか。アートマネジメントからアートウーブメント[woven(編まれた)+ment]へ、先陣で実践を試みる方々とともに、一緒に考えませんか?
開催概要
日時:
- 1日目:2021年6月19日(土)10:30 - 17:00
- 2日目:2021年6月20日(日)10:30 - 16:00
場所:トヨタ自動車株式会社 東京本社
参加費:3,000円(交通費&宿泊費は自己負担)
募集人数:25名程度
企画プランナー
田尾圭一郎氏[カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 CCCアートラボ事業本部 プロジェクトプランニング事業部 ユニット長/「美術手帖」プロジェクトプランニング プロデューサー]
美術出版社に入社後、「美術手帖」ユニットにてアートプロジェクトの企画、地域芸術祭の広報支援、雑誌・書籍の編集、展示企画などに携わる。主な取り組みに「美術手帖×VOLVO ART PROJECT」プロデューサー、「やんばるアートフェスティバル2017-2018」広報統括プロデューサー、「BIWAKO BIENNALE 2018」参加、「サバイブのむすびめ」企画など。主な執筆に、連載「手繰り寄せる地域鑑賞」(webメディア「ソトガワ美術館」)、連載「現代クリムト講座」(アプリ版「ぴあ」、「クリムト展」関連プロジェクト)。主な書籍に『スウェーデン/Sverige』(美術出版社)。主な寄稿に『アートシーンを支える』(勉誠出版)、『アート・イン・ビジネス』(有斐閣)。2019年「インバウンド質の向上プロジェクト協議会」参加。「ネットTAM」ゲストアドバイザー。2020・21年度「メセナアソシエイト」調査研究助成。展示シリーズ「内にいて外。」を企画(2020年、「ART FOR THOUGHT」)
プログラム「タテ・ヨコに編まれる次代の"アートマネジメント"」
全5講義、1日2~3講義を実施し、各日の最後にまとめのシンポジウムを開催します
6月19日(土)
No.1 アートマネジメントにおける「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」
山口佳子氏(特定非営利活動法人アルファルファ 代表理事/アートマネージャー)
今、大学でアートマネジメントの専門知識への関心が高まっています。法政大学でキャリアデザインを教えながら、アルファルファで「ゆるやかなネットワーク」を形成し、舞台芸術のサポートを続ける山口佳子さんに、かかわり方の多様化とその必要性についてお話しいただきます。
No.2 東京で地縁の再獲得は可能か?〜2021年『隅田川怒涛』の取り組み〜
清宮陵一氏(NPO法人トッピングイースト 理事長)
アートプロジェクト「隅田川怒涛」は地域住民を深く巻き込みながら「まち×音楽」を共創しています。住民、演奏家、プロデューサー...さまざまな登場人物が「混ざり合いながら地域を形成する」ことの可能性をうかがいます。
No.3 うっかり越境してきたけれど
金森 香氏(THEATRE for ALL ディレクター/(株)precog 役員/(一社)DRIFTERS INTERNATIONAL 代表)
2020年、オンライン型劇場「THEATRE for ALL」のディレクターを務めた金森香さん。これまでも、障がい、性、世代、言語などさまざまな「違い」を乗り越えたアートプロジェクトや、ファッション、演劇などジャンルをまたいだ企画をどのように実施されてきたのか、そして今後「違い」を乗り越えるためにはどのようなアートマネジメントが必要なのかをお話しいただきます。
6月20日(日)
No.4 アートの「声」になるということ:通訳の視点から考える現場のコミュニケーション
田村かのこ氏(アートトランスレーター)
「アートトランスレーター」として、多様な言語・文化・人のあいだをつなぐ役目を担う田村かのこさん。誰もが安心して創作に参加できる環境作りに取り組んでいます。通訳・翻訳の視点から見えてきた、いま創作の現場に求められるコミュニケーションのあり方について、お話しいただきます。
No.5 切実さをアクションする:表現者との協働から眺めるアートマネジメントのかたち
野田智子氏(アートマネージャー/Twelve Inc.取締役)
活動自粛を余儀なくされたアーティストを支援するオンラインアートプロジェクト「AICHI⇆ONLINE」を実施した野田智子さん。この状況をポジティブにとらえクリエイティビティを発揮している本取り組みを通じて、いま切実な問題とどのように対峙してきたのかをうかがいます。
*
シンポジウム
各日の最後にまとめのシンポジウムを開催します
募集要項
対象:
以下のいずれかに該当する方
- アートマネジメントの現場に携わっている方、かかわったことがある方で、興味関心をお持ちの方。
- アートプロジェクトの企画制作の経験がある方
参加条件:
- 全日程参加できる方
- 申込フォームにある次の3つの質問に回答した方
(1)参加しようと思った理由を教えてください
(2)これまで携わったアートプロジェクトをできるだけ具体的にご記載ください
(3)アートプロジェクトに携わる中で、いま感じている課題を具体的にご記載ください
申込方法:参加の募集は締め切りました。
締切:2021年5月7日(金)
参加のご案内:5月中旬ころ、参加確定させていただいた方のみメールでご連絡します。
講師紹介(敬称略/五十音順)
金森香[THEATRE for ALL ディレクター/(株)precog 役員/(一社)DRIFTERS INTERNATIONAL 代表]
出版社リトルモアを経て、2001年ファッションブランド「シアタープロダクツ」を設立し、2017年まで取締役。2010年NPO法人DRIFTERS INTERNATIONALを設立し、芸術祭の企画運営・ファッションショー・出版企画などをプロデュースする。2019年日本財団主催「True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭 - 」のディレクターを担当。2020年にprecogに参画し、アクセシビリティや広報・PR、ブランディング事業等を担当。
清宮陵一[NPO法人トッピングイースト 理事長]
1974年東東京生まれ。2006年より音楽家による即興対決プロジェクト『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS』を主宰。坂本龍一氏のレーベル「commmons」に参画後、プロダクション・VINYLSOYUZ LLCを立ち上げ、様々な音楽家らと協業。2014年NPO法人トッピングイーストを設立し、2021年にはTokyoTokyoFESTIVALスペシャル13『隅田川怒涛』を実施予定。
田村かのこ[アートトランスレーター]
アート専門の翻訳・通訳者の活動団体「Art Translators Collective」代表。人と文化と言葉の間に立つ媒介者として翻訳の可能性を探りながら、それぞれの場と内容に応じたクリエイティブな対話のあり方を提案している。札幌国際芸術祭2020コミュニケーションデザインディレクター。
野田智子[アートマネージャー/Twelve Inc.取締役]
1983 年岐阜生まれ。現代美術作品の販売、国際美術展の広報等を経験したのち、2013年よりアートマネジメントを専門とした個人事務所一本木プロダクション主宰。ジャンルや環境にとらわれず、アーティストとの協働/作品販売/企画制作/出版などのプロジェクトを展開する。2015年〜2018年、Minatomachi Art Table, Nagoya[MAT, Nagoya]共同ディレクター。2019、あいちトリエンナーレ2019ラーニングセクションマネジメント担当。アーティストコレクティヴNadegata Instant Partyメンバー。2020年、アートマネジメントとメディアプロデュースを軸にしたアーツプロダクション Twelve Inc.を山城大督と設立。コロナ禍における愛知県のアーティスト等緊急支援事業、オンライン・アートプロジェクト「AICHI⇆ONLINE」プロデューサー。
山口佳子[特定非営利活動法人アルファルファ 代表理事/アートマネージャー]
立教大学大学院文学研究科 比較文明学コース 博士前期課程修了。アートマネジメントの持続可能性を目指して、フリーランスのアートマネージャーのゆるやかなネットワークであるアルファルファを06年にスタート。ダンサー・振付家の平山素子をはじめ、クオリティの高い芸術創造活動を続けるアーティストらと協働し、広く社会に良質なアートを提供する。08年より法政大学キャリアデザイン学部非常勤講師。10年~16年アサヒ・アートスクエア運営委員
https://alfalfalfa.net/
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