自分でつくって自分で売る場所
アトリエショップ
コトバで表現することをほとんどして来なかった自分に、今、悩まされています。締め切り1日前、スタバの窓辺に座わり、iPhoneの文章制作アプリで執筆。執筆と言うより、このコラムを目にする誰か宛にメールを打っているような感じです。アートマネジメントについて考えたのは、今回が初めてで、モノをつくり出しそれを生業にしているのだから、もちろんセルフマネジメントをどうにかこうにかこれまでやってきたはずなのですが、決して誇れる様な生き方ではありませんでした。そんなこれまでと、素晴らしいこれからの自分のアートな日々の生活について少し書こうと思います。
毎年全国各地のギャラリーで、個展やアートイベントなど、つくる描くの日々を送り、気づけば20年が過ぎていました。それはそれは苦しくも楽しい日々であり、もう二度と戻りたくない気もしますが、その日々への感謝も忘れてはいません。
海まで歩いて3分、築47年の庭付き平屋をアトリエにして13年。昼夜問わず仕事に明け暮れていました。
そんななかで、アトリエに遊びに来るお客さまが、その時に作品を買ってくださることがあり、「直接売れると丸々収入になっていいなぁ〜」と、単純に思い、そんなことが何度かあり、アトリエショップへの想いが漠然とつのってきていました。
都合により、そのアトリエを引き払う時がきました。断腸の思いで道具などを処分し、捨てるに惜しいものは、四畳半の貸し倉庫へパズルの様に詰めこみ、仕事に必要な道具だけ自宅四畳半の部屋へ。自宅がアトリエに。家族がすぐ横に居て、広さも時間も制限されたなかで工夫が生まれるのを実感し、狭いも悪くないなと。
束の間のアトリエ
しかし仕事の打合せや取材時など、ちょっとカッコが付かない。やはりアトリエが欲しいと思うようになりました。人に会う度に、「何処か自宅の近くにアトリエを借りたい!」と話をしていたところ、目と鼻の先のアパートを取り壊すまでの間、無料で借りれることに。早速掃除をして、ちゃぶ台と絵の具を運び込み喜んでいたのも束の間。大家さんの気が変わったらしく、白紙に...。ただほど怖い物はない...。と、落ち込みました。
アトリエショップ
程なく美術館の展示などでお世話になった知り合いから「南湖にいい物件がある」という情報を頂きました。その物件は、1階の角。美容室と理容室を長年されていた所で、ワンフロアを間仕切りで2部屋にしており、入り口が2か所ありました。僕の目は輝きました。「アトリエとショップができるぞ!」本当に夢のような場所。イメージしていたことが実現するかもしれない! 突然の話で資金がありませんでしたが、少額を手付金として払い、とにかく押さえました。
その後4か月の間待ってもらい、個展で得た売り上げで、本契約を無事済ませました。知り合いや周りの方々や家族の力を借りて、8か月かけて外装と内装を手づくりし、店舗の方も昨年12月にオープンしました。僕の作品オンリーを販売するお店なので、店名はナスナスショッピにしました。店の前を通る人が「茄子尽くしの料理でも出るのかなぁ〜?」と笑っていました。
自分でつくって自分で売るお店!
これからも、お世話になっているギャラリーでの展示もしつつ、自分のアトリエショップを充実させたい。もっともっと身近に、まちのお店屋さんのように、パン屋さんやケーキ屋さんのように、ここでつくったものをここで売る! 今居るこの場所を楽しさの発信拠点にしたい! この場所自体が絵の中の様で立体作品そのもので、そこで絵を描いたり人形をこしらえたり音楽をつくったり、日々の生活そのものがアートで、基本的生活基盤をこのアトリエでつくり、次の目標に向かって行きたい。絵本づくりや、ご近所の方々とワークショップをしたり、ゆくゆくは人形の駒撮りアニメ制作などもしたいと考えています。楽しく自分らしく好きな事だけをして生きて行きたい(できる限り)笑。これが今の、そしてこれからの僕のアートマネジメントです。乱筆乱文失礼致しました。
(2014年7月24日)
今後の予定
絵本出版に向けて制作中。