1936年生まれの田名網氏。60年以上にわたる彼の作品をプロローグの後に、アメリカのポップアートに影響を受けた初期の作品からそれぞれの時代に分け、社会のさまざまなことを吸収しながら制作した、彼の冒険に満ちた作品をエピローグまで大量に！体験できるまさに大回顧展。

社会に対する批評精神も随所にちりばめられている。特に60年代の作品「NO MORE　WAR」は現在の世界情勢から今も心に響く作品となっている。日本版月刊誌「PLAYBOY」の初代アートディレクターも務め、展示されている。コラージュが掲載されているページの記事は、タモリとジャズの巨人マイルス・デイビスとの対談で一部が読めておもしろい。また「月間イメージフォーラム」（1980年創刊。現在休刊中）にもかかわっていて展示されている。

当時愛読していた私は多様なイメージにあふれた豊かな時代を思い出し、懐かしさで感動。（歳がわかる？！）

イラストレーター、映像作家などジャンルを問わずアーティストとして、彼の心のままに制作される作品は、88歳になった今も一層力強さを発揮している。他の多くの現代アーティスの作品の中に、彼からの影響の片鱗をみることができる。赤塚不二夫、アルチンボルド、ピカソなどのように、彼はこれからも心惹かれるものを取り込みながら新たな冒険に挑んで行く。

ぜひ、彼の世界に浸ってみませんか？　（溺れないようにご注意を！）

（2024/8/6　事務局：S.S）