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アートマネジメントのインターン現場レポート~世田谷パブリックシアター(4)

先日よりスタートした、2022年度 世田谷パブリックシアター夏休み大学生インターン。
ネットTAMでは、参加されている学生が学んだことや得られた気づきなどの所感を、リレー形式の日記としてご紹介しています。
今回は、制作補助として参加する“せたがやこどもプロジェクト”のステージ『流星スプーン』の本番当日の様子をレポートします。

(第1回はこちら:インターン概要&第1日目活動レポート
(第2回はこちら:第2日目活動レポート
(第3回はこちら:第5日目活動レポート

藤崎春花:ステージ編『流星スプーン』コース
(早稲田大学 文学研究科)

今日はとうとう実務的なインターンの最終日であり、「流星スプーン」の発表日でした!
長く濃い1日になりました。
発表日ということで、今朝の子どもたちはすこし緊張しているようでした。最後の稽古が始まると、みんな集中していて、子どもたちからも素敵な作品を家族に見てほしいという強い気持ちが感じとれました。

本番で初めて、全シーンを通すという挑戦になり、舞台袖から見守る身としては、期待と不安がいりまじった感情でした。本番前の30分休みで楽屋に戻ると、子どもたちは台本の読み合わせをしていたり、シーンの演技について話をしていたり、各々が本番にむけて準備を整えていました。5日間という少ない期間でしたが、子どもたちはプロが作り上げる劇場空間で演劇をする経験のなかで、何かを感じとり刺激され、真剣に表現したいという意志が強くなっていったのではないかと感じました。

本番は、多少のアクシデントはありながらも、みんな自由に楽しんで演技をしていました。終演後は、各々が楽しかった、来年も参加したいと笑顔で帰っていき、素敵なプロジェクトに携わることが出来た幸せを噛みしめました。

このインターンを通して、白井晃さんをはじめとして中山祐一郎さん、古家優里さん、そして劇場スタッフの方々の最後の一瞬まで、作品制作に対して一切の妥協をしないという姿勢を間近で体感することができました。これから社会にでていく身として、この経験は本当に貴重でかけがえのない学びになりました。子どもたちと同じくらい私たちインターン生もさまざまなことを吸収することのできた1週間でした。
インターン前よりも世田谷パブリックシアターのことがさらに好きになりました!
最後は、1週間助け合い、仲が深まったインターン生と名残惜しみながら、お互いの将来の健闘を祈りあいお別れをしました。

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発表会カーテンコールの様子

丸山真奈:ステージ編『流星スプーン』コース
(桜美林大学)

今日は、帰っていく小学生がとてもたくましく見えたのが印象的でした。
客席から見ていて思ったのは、お客様が観に来ることでつくられる劇場の中の雰囲気を感じて、小学生たちもいつも以上に身が引き締まったのではないかと思います。
音響と照明、演出部と出演者、全てのセクションの人たちが、距離は離れていても団結しているという感覚を、どこかで感じたのではないかと思います。

最後のリハーサルで自己紹介の練習をしたときは、みんな恥ずかしがって名前しかいわなかったり、クネクネしていたりする子もいましたが、本番時は、みんなしっかり立って大きな声で名前と感想を言っていて感動しました。みんな輝いていて眩しかったです。
今回のりんかん学校で、白井晃さんや中山祐一郎さん、古家優里さんに教わったことを、小学校の学芸会やバレエの発表会などでちょっと活かしてみてくれたらいいなと思いました。

バラシって、あんなに作り上げるのに時間をかけて苦労したのに、あっという間に終わってしまうのが虚しいと思うことは、どこの劇場に行っても、自分がどの役割・立場の場合でも同じだなと感じました。
楽しかったという思いもあり、もっとああしていればさらに良いものにできたかもしれないという悔しい思いあり、もう一度準備からやりたいなと思ってしまっています。これだけ今、あっという間だったと思えるのは、それだけこのインターンシップが充実した濃い時間だったのだと思います。
去年から、参加してみたいと思っていたこのインターンシップが、こんなに充実したものになって本当にうれしい限りです。
また、日に日にパブリックシアターの客席が小さく見えてくるという錯覚が起きていました。次、お客さんとしてパブリックシアターに入って観劇する際に、どのような気分になるのか楽しみです。
インターンシップメンバーが誰も欠けず最後まで終えられてよかったです。ありがとうございました。

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参加者の子どもたちの記念撮影の様子

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