ネットTAM


アートマネジメントのインターン現場レポート~世田谷パブリックシアター(3)

先日よりスタートした、2022年度 世田谷パブリックシアター夏休み大学生インターン。
ネットTAMでは、参加されている学生が学んだことや得られた気づきなどの所感を、リレー形式の日記としてご紹介しています。

今回は活動5日目。制作補助として参加する“せたがやこどもプロジェクト”のステージ『流星スプーン』リハーサルや、劇場制作スタッフからの体験談と、盛沢山のプログラムです。
(第1回はこちら:インターン概要&第1日目活動レポート
(第2回はこちら:第2日目活動レポート

中山穂春:ステージ編『流星スプーン』コース
(桜美林大学 芸術文化学群 演劇ダンス専修)

子どもたちのリハーサル3日目、少し慣れた様子で舞台に溶け込んでました。

みんな小さな体じゃ足りないほどに元気が有り余っていると思えば、いきなりゼロに戻る子もいれば、と見ていてこっちが飽きません。なぜだか「チャーハン!」といえば元気になるので、不思議です。あとは、集中力ですね。一人がかければ雪崩のように空気が崩れていくのが見てわかるし、私自身もそのような経験があります。舞台って、一人じゃ到底できないからこそ、この集中力が必要であるし、これがあれば空気が変わるという実感を得てみてほしいと思います。ぶわっと、変わります。感情とか何とかよりも先に、ぶわっと。

白井晃さんをはじめ、そっと見守りていねいにつくり上げるスタッフの皆さんの近くで学べること、感じることを大切にこの時間を持ち帰りたいと思います。前とは違った感覚で、私にとって世田谷パブリックシアターが特別な空間になっているのを感じています。

setagaya-pt-3-gaze.jpg

リハーサルを見守る

藤崎春花:ステージ編『流星スプーン』コース
(早稲田大学 文学研究科)

インターン折り返し日となった今日は、まず子どもたちの受付が始まる前に、劇場制作スタッフの方からご自身の制作者としての現在までの道のりについてのお話を聞かせていただきました。大学では舞台の現場で実際に働かれている方にお話しを聞ける機会がほとんどないので、大変貴重な時間を設けていただきました。「地域の人の顔がみえる、公共劇場で働きたい気持ちが強かった」とおしゃっていたのがとても印象的でした。私も就職活動をする際は、自分にとってゆるぎない軸を持って取り組もうとあらためて思いました。

ワークショップでは、まだ練習できていなかったすべてのシーンを通すことができました。子どもたちはセリフだけではなく、小道具や大道具の移動もたくさんあるので、とても忙しそうに動き回っていました。積極性のある子が多く、何か大道具を動かす任務を任されるとうれしそうにしていたり、時には白井さんに自分に任せてほしいとアピールをしている子もいたりしました(笑)。子どもたちの積極性から見習うことも多い現場です。ただ、やはり長丁場のため、今日も集中力がなくなり始めると、自分の出番や役目を忘れてしまう子も目立っていたので、私も「どこでどの子が何をするのか」ということをしっかり把握し、忘れないようにしようと胸に刻みました。

稽古日も残り1日なので、作品の完成に間に合うのかなという気持ちが頭をよぎった際に、海や火山の溶岩を表すために使っている、大きなビニールを動かしている子どもたちの表情に目がいきました、すごくうれしそうで、幸せそうでした。そのときに、この稽古時間こそが、子どもたちにとって忘れられない思い出の一つになり、大切な時間なのだということを再認識しました。子どもたちが最後まで、楽しんで『流星スプーン』に向きあうことができるように、微力ながらのサポートを引き続き頑張りたいです。

setagaya-pt-3-listen.jpg

劇場制作スタッフの体験談を聞く

setagaya-pt-3-check.jpg

照明チェックの様子

この記事をシェアする: