アートマネジメントのインターン現場レポート~世田谷パブリックシアター(1)
世田谷パブリックシアターでは、毎年、夏休み大学生インターンを募集しています。
舞台芸術をとりまく仕事に触れてみたいと考えている大学生・大学院生を対象に、世田谷パブリックシアターの現場で、舞台芸術にかかわる人々の仕事に触れ、舞台芸術・ワークショップと劇場、地域などの芸術文化事業について学び考える機会を提供したい、という目的で、2015年に開始されました。
具体的な活動内容は、夏休み期間中に実施する「せたがやこどもプロジェクト」のステージ編(『せたがや 夏いちらくご』、夏の劇場・りんかん学校『流星スプーン』)ならびにワークショップ編(『高校生のための演劇ワークショップ』)における現場での準備から実施までの制作補助。このほかにも、舞台芸術に関する劇場運営、制作、広報、技術などのレクチャーも用意されています。
今夏も数多くの応募の中から12名の学生が選出され、先日よりインターン活動がスタートしました。ネットTAMでは、参加されている学生が学んだことや得られた気づきなどの所感を、リレー形式の日記としてご紹介します。
藤崎春花:ステージ編『流星スプーン』コース
はじめまして、藤崎春花 と申します。早稲田大学文学研究科の修士1年生です。文化政策、アート・マネジメントに関心があり、大学院に進みました。現在は、演劇の公共性や地域の人をテーマとした劇場の取り組みを中心に研究しています。
今回のインターンは、普段プロの俳優たちと演劇をつくっている白井晃さんが、一般の子どもたちとどのように演劇をつくり出すのか興味があり参加しました。
活動第1日目となる今日は、まずオリエンテーションがあり、企画主旨などを説明していただきました。
この企画は、白井晃さんが芸術監督に就任後初のこどもプロジェクトの企画であり、スタッフの方たちも手探りのなか一丸となって進められていることがわかりました。同時にインターンである自分たちの積極性も作品製作の効率性に直接関係するのだと感じました。
その後、早速出演者の中山祐一朗さんと古家優里さんと、白井晃さんによるプレ稽古を見学しました。インターンが子どもの役を交代して担いました。実際に身体を動かして、演出していただいたことで、稽古はあっという間にすぎてしまいました。セリフを読むことまでは想像していませんでしたが、貴重な経験になり、とても楽しかったです。
明日から合流する子どもたちに、今日教えていただいたことをわかりやすく伝えられるように頑張りたいです。
丸山真奈:ステージ編『流星スプーン』コース
桜美林大学3年の丸山真奈 と申します。
大学では、演劇やダンスについて実際に公演にかかわりながら実践的に学んでいます。
宝塚と映画が好きです。一番好きな映画は「ミッドナイトスワン」です。
以前、3度世田谷パブリックシアターの「デイ・イン・ザ・シアター」に参加しました。演劇に普段触れていないような多世代の方とシアターゲームをしていく中で、自由で温かな空気を感じました。この空気のおかげで、年の離れた方とも深く交流できました。シアターゲームや演劇によって、さまざまな人が積極的に参加できるような自由で温かな空間を私もつくりたいと思い応募しました。
活動第1日目のプレ稽古では、気のせいかもしれませんが、初めての企画であることに対する緊張と熱意みたいなものが、全員分集まったことで舞台上と客席の気温が上がっていたように感じました。
外の気温が高いとか関係なく、本当にかかわっている人のエネルギーの強さだなと感じました。正直、今日自分たちインターンが小学生側の役をやってみて、これは大変だぁ!と思いました。
ただ、とてもおもしろいと思ったのは確かなので、演劇にあまり触れたことのない小学生がこのような体験をして、演劇や舞台芸術に新たに興味を持ってもらえるのではないかと思いました。ぜひ、興味を持ってもらいたいです。
そう思ってもらえるような、自由で温かな空間をつくることができるように頑張ります。