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変化の胎動感じる淡路島!~国際アートプロジェクト「ノマド村」に行ってきました

読み返すたびにジンとくる第25回リレーコラム「さっくり耕せ淡路島」を、淡路島アートセンターのやまぐちくにこさんが書いてくださってから、早4年。全国アートNPOフォーラムin淡路島から3年。
久しぶりに訪問した淡路島は、またまた新たな魅力に満ちていました。

やまぐちさんに案内いただき、初めて登った三熊山洲本城跡。立派な石垣が残っています。
すこし重厚な野外劇などにぴったりな場所、"淡路のアンコール遺跡"ともいえそうな木が根を張る石垣などを通り過ぎて、現在は模擬天守閣(夜間に山の方に光っている)のある本丸跡に行けば、眼下には洲本のまちと海が広がっていました。
赤レンガ倉庫も見えた!なにかできそう~と、妄想が膨らむ場所でした。


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そして今回、ずっとうかがうのを心待ちにしていた「ノマド村」に行ってきました。
淡路島といえば海の印象でしたが、ノマド村は棚田が美しく広がる山あいにありました。

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「ノマド村」は、スイスで4年間展開された<Laboratoire Village Nomade>が、日本の淡路島に拠点を移し、新たな名称とともに昨年から本格的に活動を開始した国際アートプロジェクト&その拠点
ドイツとスイスで活動されてきた写真家、映像作家の茂木綾子さん、ドイツ人映像作家のヴェルナー・ペンツェルさん、ピアニストの下村美佐さん、そしてコラムを書いてくださったやまぐちくにこさんが中心メンバーとして活動されています。今回茂木さんに初めてお目にかかりお話をうかがいました。

拠点となるスペースは、元小学校の校舎。


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カフェ・ノマド」(土日のみオープン)は、ゆったりとした、いい時間が流れていました。「地域の人々や国内外からの参加者、訪問者たちと、共にこの場を作り上げる、ソーシャル・スカルプチャーとして活動する」とWEBにある通り、ここに地元の方々や来訪者が集うそうです。ソーシャル・スカルプチャー、いいですねえ!


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ミナ・ペルホネンの今年の秋冬コレクションのカタログ『紋黄蝶』は、なんとここで撮影されたそうです。もちろん茂木さんの撮影。地元のお子さんたちがモデルで登場、なごやかな笑顔。

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校庭のフェンスの向こう側にも棚田と池。はるか遠くには海が見えました。


ノマド村が淡路島に拠点をおき、茂木さんが活動されるようになってから、行政側の理解もだいぶ変わってきたとのことです。やはり、アーティストという存在が目に見えるようになると大きいと、やまぐちさん。
今夏の「テシゴトノオト handwark sonds」展のように、これからも地元とのかかわりの中から作品が生まれてくるのでしょうか。楽しみです!


さてさて、アートの楽しみと、
おいしいものの楽しみは切り離せません。
やまぐちさんもコラムに「淡路島には、おいしい海の幸、山の幸に恵まれていて、自然がたくさん」と書いておられましたが......はたしてその通りでした!
ということで、淡路島に行ってみたいな、必ず行きます、という皆さまに、おいしい情報も報告します。

まずは、今回大変お世話になったアーティスト/淡路島アートセンターの久保拓也さんコラムにも作品登場)が教えてくださった、お寿司の「新月」さん(洲本市本町)。由良港にあがる天然物をだしてくれる大将のこだわり。何をたべてもほんとうにおいしかったです(写真を撮っていなかったのが残念)。

そして、はずせないのが、イタリアンの「L'ISOLETTA (リゾレッタ)」。
淡路島アートセンターのメンバーでもあり、コラムにも登場した「フィッシングダイアリー」で、捕獲した虫で見事なフルコースをクリエイトされた井壷幸徳さんのお店です。
淡路島の食材を存分に生かした、目にも美しくほっぺたの落ちる料理がいただけます。淡路島はおいしい!

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淡路島はアートだけでなく、自然も、食も、人も、歴史も豊かということを胃袋ふくめて全身で実感。


淡路島のアートは動いていました。
お話をうかがっていて、とりわけ印象的だったのが、淡路島アートセンターが地域のクリエイティブ機能を担い始めているように思えたことでした。作品を生み出す、アートプロジェクトを開催するということ以外に、地元が何か創造的なことをしようというときの「知恵袋」のような存在、とでもいうのでしょうか。
ある線は守りつつも、領域を広げていく、自然と広がっていくというのは、異なる分野との交流がなかなか進まないアート業界の中で、実に頼もしいと思いました。

淡路島でおこっている変化の胎動を感じた一日でした。さすが国生みの島、淡路島!

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今回大変お世話になった淡路島アートセンターのやまぐちくにこさん(右)@洲本市民工房での子どもたちの絵画教室中と、今回訪問メンバーを道中送ってくださった久保拓也さん(左)。お忙しい中、ありがとうございました!

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