文科省、経産省、外務省の「クールジャパン」発信のための次年度予算
今朝ツイッターで文化庁の海外向け発信力が弱いと書いたのだが、朝日新聞の本日夕刊に以下のような記事が掲載されていた。「お!すみません、文化庁も対策検討済みだったんだ」と思い、内容を読んでみると...。
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「クールジャパン」海外発信へ、3省が計27億円要望 (asahi.com、2010年8月28日15時31分)
アニメや漫画、食など「クールジャパン」といわれる日本文化の海外発信に力を入れようと、文部科学、経済産業、外務の3省が来年度予算に計27億円を要望する。各省は「それぞれの特長を生かした役割分担」(中川正春・文科副大臣)で、予算獲得を目指す。
今年6月に「クール・ジャパン室」を新設した経産省は約19億円を要望する方針だ。中国やインドなどの新興国の市場を調査。市場ごとに衣服や家電、アニメ、日本各地の特産品などをどう売り込むかという戦略をつくる。現地の百貨店でのテスト販売や流通業者との商談会などを支援し、そこで得たノウハウを業界が共有できるようにする。
文科省の文化庁は、「クリエイティブ・ニッポン発信!プロジェクト」事業で約6億円を要望する。地域から日本文化を国際発信する拠点をつくろうと、海外の芸術家に滞在制作をしてもらう事業(アーティスト・イン・レジデンス)をしている自治体などへ助成する。国際現代美術展の横浜トリエンナーレ、東京国際映画祭への支援のほか、東アジアの芸術家を招いた「東アジア文化芸術会議」の開催も計画している。
外務省は、海外にある大使館などで、日本食の料理教室や日本酒の試飲会を開いたり、日本のファッションについてのセミナーや展示会を催したりする。現地のオピニオンリーダーらを通して日本文化の浸透を促し、関連企業の海外展開を側面から支援する。計2億円を要望する。
各省とも、菅政権が新設した「元気な日本復活特別枠」に要望する。公開の政策コンテストにかけられるため、競合する恐れもあるが、「互いに連携、調整しながらオールジャパンで進める」(外務省)、「相乗効果を発揮したい」(経産省)と強調している。(赤田康和)
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あれ...。「クリエイティブ・ニッポン発信!プロジェクト」事業と銘打たれてはいるけれど、内容はかつて行っていた助成と変わりないような。。。
アーティスト・イン・レジデンス(AIR)助成は以前ずっとやっていたものだ。もちろんクールジャパン発信という目的ではなく、国際交流、地域活性的な意味での支援だった。それがクールジャパンに?
あと、「海外の芸術家に日本で滞在制作をしてもらう事業」がなぜ、日本のクリエイティブを発信することになるのだろう。むしろ逆では?「海外で滞在制作、発表、ツアーする日本のアーティストやクリエイターを支援する」ほうが、この事業の枠組みには合うように思うのだが。
つまり、誰のクリエイティブを、誰(どこ)に向けて発信するかが、ぼんやりしていないだろうか。かつてAIR助成をやめた時の理由を検証した上で今回の政策を決めたのかも、気になる。
国際美術展・芸術祭の支援も、それ自体はいいけれど、なぜ、あまた存在する国際美術展、芸術祭の中で、横浜トリエンナーレ、東京国際映画祭が特にあがっているのか。共催体制の変化など察するところはあるが、もっともっと小さな自治体で自助努力でがんばっているところや、民間の芸術祭はたくさんある。
なんか、あまりピンとこない「クリエイティブ・ニッポン発信!プロジェクト」事業である。。。
やっぱり、まずは文化庁そのものの海外への情報発信力をあげるなど、足元を固めることから始めてほしい。各国の文化省庁や、海外の文化機関、助成期間などとも積極的に交流し、情報交換する。そのための外国語資料は常に最新のものを準備し、WEBでも一般公開しておくなど。
...と、今朝のツイートにもどりました~。