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「経済拡大のためにも、文化力を刷新する必要」(フランス外相)

7/22付の朝日新聞夕刊に、フランス政府が文化等のソフトパワーで自国のブランド力の維持、経済拡大をめざすことに乗り出した、という内容の記事がでていました。
具体的な方法としては、仏外務省が5年間で約110億円の新規予算を投入し、約140の既存の公的文化施設を民間機関と協力して官民一体で再編するというもの。
新興国の躍進が目覚ましい中、国としての「居場所」に危機を感じた結果の動きだそうで、「文化」をもって対策に乗り出すのは、いかにもフランスらしいですね。大臣が「国のブランド維持、経済拡大には文化だ」と明言するあたり、ちょっとうらやましくもあります。。。

国や地方政府が文化とどう向き合い、どういう立場をとるのか。
これからきっと二極化が進むように思います。どちらに明るい未来が待っているか・・・。

前回のブログでご紹介した「シルク・ドゥ・ソレイユ:ZED」のカタログには、シルク・ドゥ・ソレイユの本拠地であるカナダ・ケベック州政府が1ページを使って広告を掲載していました。

曰く、「文化への投資は、未来への投資―Investir dans la culture, c'est investir dans l'avenir」。

アイデンティティーや州ブランドの確立に、カナダの中でもひときわ敏感なケベック州。
ケベック発のアートを、州政府として惜しみなく応援し、ともにPR。長い目で見れば、巡り巡ってそれがケベックの力強く明るい未来につながるんだという確信があるのでしょう。ケベックにとっては、われわれが想像するよりはるかに切実な問題でもあるかと思います。

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文化予算は多いにこしたことはないですが、まずは何より政府が「文化は大事なんだ」とはっきり打ち出すこと、さらには、「うちの国/地域にはすごい文化、すごいアートがあるんだよ」と堂々と支持してくれることも、国・地域の文化振興には欠かせないよなあと思ったことでした。

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フランス文化守れ! 政府が海外発信拠点を再編  (2010.7.22 朝日新聞) 
【パリ=稲田信司】フランス政府は21日、来年1月までに海外での仏文化の発信拠点を再編し、外務省所管の「フランス学院」として統合する計画を発表した。中国をはじめ新興国が国際舞台で存在感を増すなか、映画などソフトパワーを総動員し、自国のブランド力の維持に乗りだす。
クシュネル外相は21日の記者会見で「中国やインドが台頭するなか、フランスの居場所はどこにあるのか。経済拡大のためにも、文化力を刷新する必要がある」と指摘。欧州にある既存の公的文化施設を縮小する一方、新興国での活動拡大を示唆した。
英国の国際交流機関ブリティッシュ・カウンシルや中国の孔子学院などの活動に対抗し、フランス学院のブランド化を急ぐ。仏外務省が5年間で総額1億ユーロ(約110億円)の新規予算を投入し、約140の既存の公的文化施設を再編。民間の仏語教育校アリアンス・フランセーズとも協定を結び、官民一体で活動を広げる構えだ。
仏外務省によると、フランス映画は米国映画に次いで世界で上映されているという。だが、最近の仏日曜紙の世論調査では「フランスは国力が衰えている」と回答した国民が71%にのぼり、5年前の同じ調査よりも5ポイント増えた。
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