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「ここにあるものはすべて恵み、ゴミはひとつもない」~【遠藤一郎:隅田川いまみらい郷土資料館】に行ってきました!

ついに梅雨があけました!真っ青な空が広がっています。夏です。
小学校も夏休みに突入。
そして今日から大人たちも、夏の連休ですね。

そんな、梅雨明けの連休にもってこいの美術展があります。アサヒビールが昨年から80年構想で展開する「すみだ川アートプロジェクト2010」(※)のひとつ、「遠藤一郎:隅田川いまみらい郷土資料館」です。

このアートプロジェクト、スケールが大きいです。 隅田川の河口から源流の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ:甲州(山梨県)・武州(埼玉県)・信州(長野県)の境にある山)まで、アーティストの遠藤一郎さんと「いまみらい調査隊」メンバーが全長約173㎞を遡り、上流から下流まで、流域での人々の生活や文化、環境などを徹底調査。その間に拾い集めたものや、関係者へのインタビュー映像の展示を通して、隅田川流域の「いま」を知り「未来」を考える「郷土資料館」に仕立て上げたというものです。

会場である「すみだリバーサイドホール・ギャラリー(東京都墨田区吾妻橋)とアサヒビール本社ビル1階には、「こんなものまで川に!?」というものや、普段は見過ごしてしまいそうな自然の数々が、遠藤一郎さんの目を通して集められ、ひと工夫の上、展示されています。小さな子どもも興味深そうに、あれこれ見て回っている様子は、見ているこちらも楽しくなります。

へえ~と思ったのは、「あぶり出し絵画」。上流の水を使って描いたものは絵がほとんどあぶり出されないのですが、河口に近い水ほど、あぶり出しでくっきり絵が浮かんでいます。それだけ上流の水はきれいで、下流は...なのですね。くんできた水をそのまま見比べるのもありですが、さすがアーティストならではの比較のしかたです。

オープニングでライブペインティングも見せたアーティストの遠藤一郎さんは、ミュージシャン、DJ、デザイナー(多摩川カジュアル)、絵画、映像など多彩な活動を行う「未来美術家」。いつも挨拶がすっごく元気、服装も毎度楽しみです。あ、遠藤さん、昨日今日明日「吾妻橋ダンスクロッシング」で踊っているらしいですよ。

その遠藤さんがオープニングで語った言葉―「ここにあるものに、ゴミはひとつもありません。すべてが恵みです」。
とりわけ印象的でした。


さあ、夏といえば隅田川。自然の恵み、川の恵みのいま&未来を感じに、梅雨明けの連休に「隅田川いまみらい郷土資料館」に行かれてはいかがでしょうか!

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左:アーティストの遠藤一郎さん、右:オープニングでのライブペインティング

遠藤一郎:隅田川いまみらい郷土資料館
◇会期:2010年6月26日(土)~7月25日(日) ※会期中無休
◇開館時間:10:00~19:00
◇観覧料:無料
◇会場:すみだリバーサイドホール・ギャラリー(墨田区役所庁1階)ほか
◇アーティスト:遠藤一郎、水川千春ほか
◇主催:財団法人アサヒビール芸術文化財団、すみだ川アートプロジェクト実行委員会
◇共催:墨田区、アサヒ・アート・フェスティバル実行委員会
◇企画協力:社団法人企業メセナ協議会
◇お問合せ:アサヒビール芸術文化財団 03-5608-5202

※「すみだ川アートプロジェクト2010」:2009から2089年までの80年間、"隅田川"にしっかり目を向けて、多くのアーティストと市民が一緒になって、みんなでつくり、みんなで楽しむ「川の手文化」を発信していく、長期的かつ継続的なアートプロジェクト。80年前の隅田川はきれいだった、ならば80年かけてまた元の美しい隅田川に戻していこう!という試みだそうで、なんとも壮大な、希望を感じる計画ですね。

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