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「寄付しないでください。かわりに、買ってください」―夢の病院をつくろうPROJECTの取り組み

1/9ブログで、今年は、民が担う公共活動への社会投資を促す、「民から民への資金の流れを促進する仕組みづくり」に自ら取り組む例を追っていきたいとお伝えした。

今日紹介したいのは、トヨタ・アートマネジメントフォーラム2007の分科会B「<防災>に対してアートができること」を企画運営してくださったNPO法人プラス・アーツの理事長・永田宏和さんが、プロジェクトリーダーとなって昨秋立ち上げられた「夢の病院PROJECT」。 

これは、小児がんの専門病院建設をめざすNPO法人チャイルド・ケモ・ハウスと、その活動に賛同する有志が、小児がんの子どもたちとその家族の"夢の病院"である「チャイルド・ケモ・ハウス」の建設資金を募るものだ。おもにウェブを通じて協力を呼びかけている。

yume.JPG夢の病院PROJECTサイト

病院建設に必要な資金は10億円。これまでも地道な資金調達活動を続けてきたが、思うように資金が集まらなかった。そこで、「夢の病院」を夢で終わらせないために、有志が考えに考え抜いて、新しい寄付システムを考えたそうだ。

小児がんの子どもたちやその親、医療従事者の切実な声を集め、夢の病院を形作るための「夢の病院アイテム」をWEB上にラインナップ。「たしかにこれは必要だ」「こんな苦労があるなんて」などなど、見る人それぞれが自分の心に響いたアイデアを、まるで買い物をするように、楽しみながら、迷いながら、選んで買う。こうしてたくさんの人に夢の病院をつくるプロセスに参加してもらい、一緒に「夢の病院」づくりに思いを抱いてもらう、という仕組みだ。

「寄付しないでください。かわりに、買ってください」は、関心を引くことにおいてもすぐれたキャッチコピーだが、PROJECTの中身を知ると、ここに込められた切実な思いまでもが伝わってくる。

もうひとつ注目したいのが、WEBをみる人からも「夢の病院アイテム」を募集していること。実際に投稿されたアイテムもぜひ見てほしい。本日現在175アイディア。投稿者の励ましも寄せられる。ふらりサイトを訪れた人の心にもきっと響くだろうし、何より関係者も心強いことと思う。

お金がないと嘆くだけでなく、ではどうしようかと考えて仕組みをつくる。多くの人に活動を知ってもらおうと、関係者みなで知恵を絞り、関係者以外も参加しやすい形を考える。
アート関係者にとっても学ぶこと大である。
このWEBを通じて、医療先進国とされる日本に小児がん専門病院がまだひとつもないことを知った。寄付を募るということは、社会に対して、その分野が抱える課題を知らせることでもあるのだ。

ぜひ多くの方に、このサイトをご覧いただきたい。

▼夢の病院をつくろうPROJECT  ※プロジェクトの概要

「医療の先進国である日本で、まだひとつもない、小児がんの専門病院。
それを、まずひとつ、つくりたい。
つくるなら、中途半端なものではなく、夢の詰まった病院にしたい。
その「ひとつの病院」は、子どもたち全員と関わることはできないけれど、
全員にとっての、ひとつの希望にはなる。
そう信じています。
小さな子どもたちを想う、大きなプロジェクト。
ぜひ、参加してください」  (夢の病院PROJECTサイトより)

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