遠山記念館「長澤英俊展」@埼玉県川島町
NHK朝の連続TV小説「つばさ」の舞台、埼玉県川越市の隣に、田園風景が広がる川島町があります。川島町には、日興證券の創立者・遠山元一氏の生家があり、その立派な日本建築のお屋敷(昭和11年に完成)と庭園は、現在「遠山記念館」として一般に公開されています(美術館も付設)。
この遠山記念館で目下開催されている「NAGASAWA IN KAWAJIMA 長澤英俊展−夢うつつの庭−」がよかったです。古い伝統的な日本家屋と日本庭園に、長澤氏のボリュームのある彫刻作品が見事に配置されていて、互いを引き立てあっているのが印象的でした。古いものと新しいものが、ごく自然に一緒に存在してます。
9/23までなので、今度の連休のお出かけにいかがでしょうか。以下、WEBサイトから。
遠山記念館の邸宅と庭を舞台として、現在、イタリア、ミラノを拠点として国際的に活躍する長澤英俊を迎え、現代作家と伝統的な空間のコラボレーションによる個展を開催いたします。
40年前ユーラシア大陸を自転車で渡り、今日までミラノで制作を続ける長澤英俊は、埼玉県川島町で育ちました。その川島町にある遠山記念館の伝統的日本家屋の内外に、新作10点を展示します。川島は、川越市の近郊にありながら、多くの河川に囲まれた田園地帯であり、かつては水の被害に悩まされた「川の中の島」でありました。多くの農家は、地上にありながら水害に備えて舟をもっていました。長澤は、遠山邸の廊下天井に象徴的な舟を吊します。その他、地元の職人や工場の協力を得て制作される新しい作品は、すべてその空間との対話の中で構想され、生まれてきた、言わば「場」とのコラボレーションであり、まさにオーダー・メイドの展覧会といえます。そして、展示される作品は、展覧会の終了とともに消えてしまいます。この展示を長澤は「夢うつつの庭」と名付けました。長澤英俊が育ち、よく知る土地で展示する、一期一会の展覧会を是非ごらんください。
遠山記念館に行ってみたかった方は、せっかくなので長澤展の期間にぜひ(余談:今度NHKで放送される白洲次郎番組も一部ここで撮影されたそうです。交渉の場面)。長澤さんの作品に興味のある方も、現在川越と北浦和の計3か所で展覧会が同時開催されているので、たっぷり観るなら今が絶好のチャンスです。3か所をめぐるバスツアーもあるようです。
遠山記念館 http://www.e-kinenkan.com/
埼玉県立美術館 http://www.momas.jp/3.htm
川越市立美術館 http://www.city.kawagoe.saitama.jp
長澤氏の地元での開催というのが、いいなあと思いました。