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AAF学校「思考の基礎体力」受講生募集中!

第16回リレーコラムを書いてくださったアートNPOリンクの樋口貞幸さんから以下のご案内をいただきました。ふるってご参加ください!

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アートプロデューサーは、施設の運営、団体の継続、企画の実現どれをとっても「何をするか」とともに、社会からの「なぜアートでなければならないのか?」という疑問に応える能力が求められています。 既存のアートの場を飛び出し、社会にアートを開こうとする活動が集うアサヒ・アート・フェスティバルだからこそ、「何を」とともに「なぜ」について応えられるアートプロデューサーの必要性を感じています。この学校は、そうした思いから生まれました。

~社会を切り拓くアートのために~ アートプロデュースの現場では、実践的な作業のノウハウも必要になりますが、それと同じほど、現代社会の中でアートの可能性をいかにとらえているのか、またその可能性を社会のいかなる領域に、いかにして開いていこうとしているのかそういった「基本姿勢」がきわめて重要になります。こうした基本姿勢が確立されていなければ、起こりうるさまざまな状況と向かい合い、自身の行為の必然性を説得力をもって主張できなくなるからです。 今年度は、アーティストやアートプロデューサーのみならず、社会の現場で活躍される多彩な活動家をお招きし、「思考の基礎体力」の向上をはかります。

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日  時:2009年7月27日(月)~11月30日(月) (全9回)
下記以外の日程:19:00~21:00
9月6日(日)、10月12日(月・祝):14:00~18:30

会  場:アサヒ・アートスクエア
(東京都墨田区吾妻橋1-23-1 スーパードライホール4F)
※8月10日のみアサヒビール本社ビル3F会議室(同敷地内)

アクセス:東京メトロ銀座線「浅草駅」4・5番出口より徒歩5分/都営地下鉄浅草線「浅草駅」A5番出口より徒歩10分/東武伊勢崎線「浅草駅」より徒歩6分

講  師:五野井 郁夫(日本学術振興会特別研究員/東京大学特別研究員)/新川貴詩(美術ジャーナリスト)/ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(現代美術作家)/山田創平(京都精華大学人文学部専任講師)/櫻田和也(NPO法人 記録と表現とメディアのための組織 研究員)/廣瀬 純(龍谷大学経営学部専任講師)/小田マサノリ/イルコモンズ(元現代美術家、アナーキスト人類学他)/藤井 光(現代美術家、映像ディレクター)/松原 明(NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 理事)/カクマクシャカ(ミュージシャン)/加藤種男(アサヒビール芸術文化財団 事務局長)

受講料 :全9回=18,000円 / 1回=2,000円 / 学割1回=1,500円(予約制)

申込方法:下記をご記入のうえ、FAXまたはE-mailでお申込みください。

名前(フリガナ)、 所属、 E-mailアドレス、電話番号、参加日程 申込先 :アサヒ・アートスクエア事務局AAF学校係

FAX 03-5608-5319 / E-mail aafs@arts-npo.org

詳  細:

http://arts-npo.org/aafschool09.html

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内  容:


■第1回(7月27日)〈芸術と政治1〉 五野井 郁夫
芸術と政治とは、ともにかけ離れているように思えながらも、その双方には共通項がある。それは、どちらもわたしたちの日常から縁遠く感じられてしまう点だ。芸術は美術館、政治は永田町、といった具合に。だが、芸術と政治とは本来地続きであり、両者はわたしたち当事者を媒介に今日、再び出会う。本講義では現在までの「芸術=政治」表現の系譜を紹介しつつ、芸術の今後を模索してゆく。

■第2回(8月10日)〈芸術と戦後史〉 新川貴詩
このところ、美術館やギャラリー以外の第三の場で展覧会が繰り広げられる機会が増えつつある。商店街や廃校、工場、アパートの一室、温泉、路上など、ありとあらゆるところが展覧会場となりうる。この項では、第二次世界大戦後から今日にかけての美術館やギャラリーの変遷をたどるとともに、同時期に第三の場がどう社会に介入し、どのような意義をもたらせてきたかを数々の事例をもとに概説する。

■第3回(9月6日)〈「S/N」上映・愛好者から当事者へ〉 ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、山田創平
ダムタイプの作品〈S/N〉では「私は夢見る。私の〈性別〉〈様式〉〈権力〉が消えることを」と語られる。あらゆるカテゴリーを脱ぎ捨てたその先にある「私」は可能か?「私」を分類し、名づけ、主体化する権力の正体を「消費社会」の中に見出し、そうではない新しい「私」の可能性を切り開こうとした〈S/N〉。消費社会の限界が露呈し、人類が未曾有の閉塞に陥っているまさにこの時、S/N〉について考える。
*「S/N」は、パフォーマンス、インスタレーション、セミナーショウ等の形で1990年代にダムタイプによって展開されたプロジェクト。

■第4回(9月23日)〈労働としての芸術〉 櫻田和也
世間は昨年末、とつぜん失業という言葉を思い出したようだ。でも、世のなかには失業できないひともいるということは忘れられたままのような気がする。失う雇用契約がなければ、失業する権利も失業したときの保障もない。もちろん最近では芸術のなかでも色々な働き方がみられる。でも生きいきとした労働「外」の時間、あの休みの日の前の歓びはどこへ? 夜もテレビ? そんな!

■第5回(10月5日)〈芸術とマルチチュード〉 廣瀬 純
ヒッチコック『鳥』と小津安二郎『お早よう』の分析を通じて"群れ"の問題を考える。どちらの作品も"普通のものたちの群れ"が問題となっているが、一方においてはそれが"恐ろしい鳥"になるのに対して、他方では"普通のもの"のままにとどまる。この問題を通じて"創造行為とは何か"という問いを立てたいと思う。できれば、事前に上記の2作品を観ておいていただきたい。

■第6回(10月12日)〈アクティビズムと芸術+ワークショップ〉 小田マサノリ/イルコモンズ
リクレイム・ザ・ストリート、クリティカル・マス、フラッシュモブ、モバイル・クラビング、ラディカル・マーチング・バンド、ラディカル・パペット、ドラムサークル、メディア・アクティヴィズム、デモクラシーなどについて、映像を使った講義とワークショップを行う。
講師の人となりについては、イルコモンズのブログを参照。http://illcomm.exblog.jp/

■第7回(11月16日)〈メディアと芸術〉 藤井 光
メディアと芸術は一部の人々に独占されてきた歴史がある。特に社会の中で不可視化、周縁化されている人々にとってそれは生活から遊離したものと考えられてきた。しかし、長年のメディアと芸術の民主化運動により、現在では生存のための不可欠な要素となった。ここでは世界中のさまざまな路上からの表現の現在を紹介しつつ、誰もが表現者となる時代をイメージする。

■第8回(11月23日)〈市民活動と制度、ファンドレイジング〉 松原 明
この10年、企業と市民活動との関係は大きく変化してきている。消費者の変化や企業の社会的責任、また、ブランドメッセージを伝えていくためにも、企業は、市民活動との新しいパートナーシップを模索するようになってきた。市民活動にとって、プラスにもマイナスにも働くこの新しい流れをどう捉え、より良い関係を築いていけるのか。企業の社会貢献のトレンドについて概説する。

■第9回(11月30日)〈芸術と政治2+クロージング〉 カクマクシャカ、加藤種男
社会の〈違和感〉に果敢に挑もうとするアートの主体たちは、すでに政治的当事者たりえるだろう。では、その当事者たちは、いまどこに立脚し、地域をいかに捉えようとしているのか。そして、その〈姿勢〉はどうあろうとしているのだろう。AAF学校最終回は、「芸術と政治」について沖縄在住のミュージシャン・カクマクシャカとアサヒビール芸術文化財団事務局長・加藤種男が対談する。
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■アサヒ・アート・フェスティバルとは? http://asahi-artfes.net/
アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)は、全国各地のアート・プロジェクトのネットワークです。
ここには、市民がアートの力で地域の未来を切り拓こうとするプロジェクトが集まっています。それぞれのプロジェクトは、それぞれ独立しており、それらがネットワークを形成しています。それぞれの活動が、地域再生の着実な実績を上げ、大きなムーブメントとなっています。プロジェクトに共通しているのは、アートと社会をつなぎ、そこから地域再生をめざすという点です。
AAFは、「市民の主体的な参加によるアート・フェスティバル」との趣旨のもと、アサヒビールと全国のアートNPOや市民グループとが協働して、2002年にスタートしました。毎夏、ジャンルを越えた多彩なアート・プロジェクトが展開されています。アートを社会に開き、地域と密着して活動を続ける全国各地の市民が互いに出会い、ネットワークを形成していくなかで、AAFは徐々に一過性のイベントの枠組みを超え、今では、地域再生をめざす全国規模の恒常的な活動の連携となっています。
「フェスティバル」、つまりお祭りは、究極の市民参加、究極のコミュニティ・アートです。みんなでつくり、みんなで楽しむことが、市民のアートリテラシーを向上させ、コミュニティ創造に寄与します。
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主  催:アサヒ・アート・フェスティバル実行委員会
共  催:NPO法人アートNPOリンク
助  成:財団法人アサヒビール芸術文化財団
特別協賛:アサヒビール株式会社
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