ネットTAM


ボリビアの沖縄村

先日、東京銀座の資生堂ギャラリーに行った。新進アーティストに広くギャラリーの門戸を開放する公募展「shiseido art egg」を開催中。入選者3名の展覧会を連続開催しており、現在は佐々木加奈子さんの作品展だ。

受付でいただいた作品解説によると、佐々木さんは「ジャーナリストをめざして学んだ後、真実を伝えるための手段としてアートを選んだ作家」とのこと。写真や映像作品を制作している。

私は今回の作品をみて初めて、ボリビアの沖縄村の存在を知った。

第二次世界大戦後の1954年から、上陸作戦で傷ついた沖縄の人々を救済するために、ボリビア政府とアメリカ在住の沖縄出身者たちによって、沖縄からボリビアへの計画移住が行われ、生まれたのが「沖縄村(コロニア・沖縄)」。ボリビア国内の模範的農村として讃えられ、国内各地から仕事を求めて移り住み、1万2000人定着した・・・・とのこと。

まったく知らないこの史実に小さな衝撃を覚えたが、作品にはおだやかな風を感じた。開拓世代、第2、第3世代それぞれの顔に、ボリビアの沖縄村の歴史を見ることができた。

アートで、知らなかった事実を知る--印象に残る展覧会だった。

▼資生堂ギャラリー「shiseido art egg」佐々木加奈子展 (~3/1)

この記事をシェアする: