「公益法人制度改革」
本日2008年12月1日、ついに「公益法人制度改革関連三法」が施行となる。なんと110年ぶりの制度改革(詳細)。既存の文化、芸術系公益法人(財団・社団)もたくさんあるし、NPO法との関係も常に取りざたされる新制度なので、アートマネジメントとも大いに関係ある。情報収集必須だ。
▼国・都道府県公式:公益法人行政総合情報サイト「公益法人information」
※旧「公益認定等委員会」サイトはこちらに統合)
これまで主務官庁の許可を得ないと設立できなかった公益法人が、今後は登記のみで設立可能となる。ただし、これは「一般法人(一般社団・一般財団)」の場合。税制等の優遇を受けられる「公益社団・公益財団」になるには、「公益性」の高さを第3者機関に認定されなければならない。
今回の制度改革で課題視されているのが、改革のそもそもの動機が、公益をかくれ蓑に悪いことをしたり天下りの受け皿になってきた一部の法人の規制に端を発していること。この100年で、日本社会における「公益活動」がどのように変わったのか、現代社会にあった制度とは何か、他の国々と比較して公益法人に対する税制優遇等は十分な水準かといった議論から制度改革要望のうねりが巻き起こったわけではない。また、公益認定を受けるための膨大で煩雑な手続きも問題となっている。
官では行き渡らないし営利組織は手をつけない、でも社会が必要とする公益活動に地道に取り組んできた団体にとっては、今回の制度改革は決して「明るい未来の到来」とは言えないかもしれない。そして、もしかすると、芸術文化系の団体は、自らの活動の「公益性」を客観的に説明することが、他の分野より厳しいかもしれない(断定はできないけれど)。
だからこそ、アートマネジメント関係者も新公益法人制度にもっともっと関心を持つ必要がある。たくさんの芸術系公益法人が、規模は小さくても、意欲的に堂々と、社会の中で活動できる将来にしていくために。