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場所の声に耳を傾けることからすべてが始まる>「ヒミング」の活動

今月のリレーコラムは、美術家、アートNPO「ヒミング」理事、そして魚巡りの宿「永芳閣」の役員である平田哲朗さんが書いてくださいました。タイトルは、「場所の感覚/ドリーミング」。

平田さんのコラムを読んで、これこそ地域のプロジェクトに欠かせない視点、というものを教わったように思います。

地域の住民や行政の意識からほとんど周縁化された「場所」が発言権を獲得するために「ヒミング」を立ち上げました。(中略)

その「場所」は、昔どんな力として顕現していたのでしょうか?
いま、どんな顔をしているのでしょうか?
明日は、何になりたがっているでしょうか?


「場所」の気持ちになって、「場所」の目線で考えるという、この感覚。 こういう感覚をいままで自分は持ちえていたのだろうか・・・。平田さんのようにありたいなあと思うことしきりでした。

WEBやブログを見るだけで元気がわきでてくるようなヒミングの活動。場所の声に耳を傾けることからすべてが始まっているからこそ、なのですね。

【12/17追記】

地域のアートプロジェクト、もしかするとアートありきの場合が多いんじゃなかろうか。あるいはアートと地域(場所)を別個のものと考えているか。だから、「アートを使った地域振興」という発想が生まれ、その<使う>という言葉に対する反発が生じる。

平田さんのいう<プレイスリテラシー>は、逆の発想。場所を読む、場所を感じるのだ。空間から地域ネットワークまでを含む有形無形の 「場所」。これを過去・現在・未来それぞれの視点から、いかに「読み解く」か。
ここに持続的な地域活動のポイントがあると、平田さんはおっしゃっている。

【場所】を読み解く力と、アートの持つ力=「繊細な受信機能と爆発的触媒力」の連鎖が、「アートの目を通して、循環型地域社会をめざす」ヒミングの活動に、実に豊かに結実している。

急がず腰をすえて、【場所】が欲しているものを、アートの目を通して考える。それをアートが形にしていく。
「船大工の技を残すことは「アート」だと思っている」という平田さんの言葉には感じ入った。氷見という場所が発信していた<船大工の技を残さねば>という声をキャッチし、それを現実の形にしていく。これがアートと言われてみれば、なるほど、至極もっともなのである。

▼第48回リレーコラム 「場所の感覚/ドリーミング」

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