ネットが環境を変える、ネットで環境を変える
昨日のブログを書いた後、リアルプレーヤーをダウンロードして、FMピパウシの放送をネットで聴いてみた。アイヌ語が話されるのを初めて聴いた。60年代に録音されたアイヌ神話の語りは印象的だった。
萱野志朗さんの父・茂さんの口癖は「言葉には足がある」だったそうだ。昨日紹介した新聞記事は、最後にこの言葉を引用して、「一人にでも一言でも、アイヌ語を伝えれば、広がる。小さなラジオ局から一歩、一歩、言葉が歩みを進める」と締めくくられていた。ラジオ局が開設され記録がネットに蓄積されて、いつでもどこからでもアイヌ語が聴ける。神戸でも放送されている。茂さんの願いどおり、言葉は着実に歩いている。
それにしても、ITによって世の中変わるのだなと思う。モノゴトを動かす力がある。ネットがなければアイヌ語にこうして気軽に触れる機会などなかったかもしれない。
・・・とはいっても、もちろん、コトを動かそうとした萱野さんらの信念と行動あってこその「変化」なのだが。
ITといえば、「トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクト」の採択団体である福岡のNPO法人FPAPも、「ITを活用したアートマネジメントセミナー等のネット配信」でコトを動かそうとしている。問題意識は「アートマネージャーの研修環境の地域間格差是正」。いよいよ明日17日が、ネットセミナーの当日だ。KAIZENブログに、本番を控えたFPAP高崎さんのメッセージが投稿されている。
ネットは環境を変える大変有効な手段だ。でも環境を変えようと動き始める人があって、初めて、ネットの力が発揮されるといえる。環境格差を嘆く人は多いが、それをどうにか改善できないかと自ら一歩を踏み出そうとするFPAPにエールを送りたい。高崎さんがブログに書いているように道のりは遠いかもしれないが、この機会に各地から意見を出し合えたらと思う。
ネットセミナーの中継地は全国5か所。ぜひ参加していただきたい。セミナー受講はもちろんのこと、終了後などに参加者で研修環境の地域間格差について少しでも意見を交わすことがあれば、中継の意味はさらに大きくなるのではないだろうか。配信そのものだけでなく、各地で「集まる」ことも、今回のネットセミナーの隠されたポイントに思える。
▼11/17(月)ネットセミナー「海外研修サポートセミナー2008」(中継地:北海道、仙台、大阪、広島、福岡、開催地:東京)