教育現場に演劇を、全国にさらなるネットワークを
先日ある会議で、教育現場に演劇を取り入れる活動をしているという方にお目にかかりました。すぐに思い出したのは、現在掲載中のTAM SEED横浜編。横浜ふね劇場をつくる会・一宮さんからいただいた"TAMその後"のリポートです。一宮さんは、子どもたちが自分をうまく表現し、相手の気持ちも読みとれるように導く、コミュニケーション教育の一手法として、同様の活動に取り組まれています。
「教育の中に演劇を取り入れていくには何をしなければならないのか」----リポートには、一宮さんと先生方の試行錯誤の過程がつぶさに書かれています。長年の取り組みから見えてくる課題にも言及されています。指導役の先生たちが研修を受ける機会が少ないこと、海外の事例は聞くものの日本での応用方法を研究し指導のひな型を示す必要があること、文科省によるゆとり教育の見直し・・・・・。
心強いのは、「2000年頃と比べれば各地に同じ思いで取り組んでいらっしゃる方が見えてきました」とのコメント。これは大きいですね。続いて、「皆さまそれぞれに地域で活動されていたのだと思います、ネットワークの大切さが実感されます」とのこと。
最後は、全国の皆さんへの呼びかけ、そしてネットTAMへのエールで締めくくってくださいました。一宮さん、ご寄稿ありがとうございました!がんばります。
アートマネジメント、アートNPOと新しい波が全国で起こっています。しかし人材不足、資金不足と戦っているのが全国の多くの皆さまではないでしょうか。横浜から新しい波は起こせたのか、あまり自信はありませんが、これからもがんばっていくしかありません。全国の皆さま、さらなるネットワークが生まれることを願っています。またその仲立ちをネットTAMが担っていかれることを期待します
【事務局おまけ】
ある英国のドラマ教育のサイトでは、「教育現場における演劇」を3つに分類しています。【1】科目/学びの対象としての演劇(近松やシェークスピア等知識として勉強する)、【2】手法としての演劇(演劇を通じて他のことをより深く学ぶ、身につける)、【3】イベントとしての演劇(鑑賞したり、学芸会で演じたり)。 なるほど、なるほど。
一宮さんの取り組みは、ここでいう【2】にあたるのだなあと思いました。