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フォーラムをふりかえってみて。

分科会セッションEを担当しましたFPAP(エフパップ)の高崎です。
今回のセッションを成立させるにあたりお世話になりましたすべてのみなさまにあつく御礼申し上げます。

今回のフォーラムの模様は、サイトでもレポートされるということですので、詳細はそちらを見ていただくとしましょう。今回のフォーラムでは分科会セッション終了後の総合セッションで、分科会セッションの成果報告などを行う機会が与えられました。

この総合セッションは、著名なパネリストと質疑応答するような場面があったのですが、その中で進行の熊倉純子さんから「なぜ演劇なの?」という問いの真意をとらえ損ね、不十分な解答をしてしまいました。悔やんでも悔やみきれません。

この質問は、「他の分野のアートにはない、演劇のアートの力はなんなの?」と、受け止めるべきでした。この問いについてはいろんな答えがあるでしょうが、私どものセッションでは、まさにこの問題について議論をいたしました。

セッションのなかで討議された内容から答えるとすれば、それは演劇がコミュニケーションのアートである。ということです。(他の分野のアートにこの要素がないというわけではなく、割合や程度の問題であると思います。)
これは演劇がコミュニケーションによって創り上げられ、役者と観客間のコミュニケーションによってはじめて成り立つという特性によるものです。

私どもの分科会セッションでは、コミュニケーション力があるいは退化してきた現代に、コミュニケーションを回復する力を演劇が与える可能性を感じさせる討議が行われました。そして巡演(その表現団体が本拠地以外での公演を重ねること)はその最たるものであるということで、それを実証する事例の報告と、討議による検証が行われました。

私どもは演劇の巡演には、他者の受容、多様性のある社会の創出というアートの力があると仮定して、このセッションに臨んだわけですが、コミュニケーションという言葉をキーワードとして、この仮定に相当の説得力をもたせるに至ったのではないかと受け止めています。

そんなわけで、せめてブログにて補足させていただくことを、ご容赦下さい。m(_ _)m

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