シネママネジメントの挑戦
開催日: | 2003年1月 11・12日 |
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開催地域: | 高知 |
会場: | 高知県立美術館ホール |
ジャンル: | 演劇 |
参加者数: | 94人 |
コーディネーター: | 高知県立文化財団 藤田直義 |
高知県で2度目となったTAMは、浪岡セッションに続いて「映画」を取り上げさせていただいた。今回のセッションは、ある意味アートマネジメントの手練れである自主上映活動主宰者を主な対象にしたセッションであり、マネジメントの技術を磨くというより次のアクションを期待してのプログラム構成となった。
高知市は自主上映活動が盛んだと言われており、実際映画館以外での上映本数が全国的に見ても多い。しかしそれは映画館での上映作品が少ないことの裏返しである。それに、自主上映グループの顔ぶれも20年前とほとんど変わらない。そのような状況で高知県の映画状況に一石を投じるには?
本講座の内容を検討していた頃、(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)などの主宰する映画上映ネットワーク会議において「コミュニティ・シネマ」という概念が提起された。それを受けて本講座では「コミュニティ・シネマ」について取り上げると共に、上映活動を様々な角度から取り上げた。
「コミュニティ・シネマ」はその後燎原の火の如く全国に広がっているが、本講座を契機に高知にもその火は点火した。本講座の実行委員の一人が中心となって「高知に市民映画館(コミュニティ・シネマ)を作る会」が結成され、近いうちにNPO設立を申請する見通しである。
今年7月には高知県に初めてのシネコンが郊外のショッピングセンターに誕生した。しかし、様々な映画が見られるようになるという県民の期待に反して、上映作品は既存の映画館の上映作品とほとんど同じである。一方「市民映画館」は上映作品の多様化に貢献するだけでなく、中心商店街の新たな文化発信拠点としても期待されている。
8月には「コミュニティ・シネマ」の生みの親、映画上映ネットワーク会議を高知県立美術館で開催する。会議の開催が「シネママネジメントの挑戦」が成就する後押しとなることを期待したい。
[高知県文化財団企画課 藤田直義/04年8月]