アートチャンプルマネジメント
開催日: | 2000年10月 14・15日 |
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開催地域: | 沖縄 |
会場: | 沖縄市民小劇場あしびなー |
ジャンル: | 演劇 |
参加者数: | 196人 |
コーディネーター: | 沖縄市民小劇場あしびなー 照屋幹夫 |
沖縄は、琉球王国を形成していた時代から中国、韓国をはじめ広く東南アジアとの文化交流が盛んであり、先達が育んだ独自の文化的要素は色濃く今日まで残っており、戦後、アメリカ軍の駐留により、さらにチャンプルーな文化の融合がおこり、全国的にも特異な文化圏を形成するに至っています。
私たちは、この多種多様な芸術的文化的土壌をフルに活用し、伝統的なものと外来的なものをうまくチャンプルーして新たな出会いを構築することを求めてアートマネジメント講座を企画しました。
企業メセナの概念の定着が薄い沖縄の現状を踏まえ、セッション1においては「アートと企業が向き合う時」と題して沖縄の状況を再確認し、沖縄の地理的・文化的な視点から、セッション2において「国境を越えてアートは出会う」と銘打って、将来的な国境のボーダーをアートはどのように越え、新たな創造を行うかを議題としました。
また、セッション3においては、「行政とアーティストの対話と地域づくり」と題して、ホールを所管する行政自体の施策の方向性を具体的事例の中で討議しました。
今マネジメント講座のハイライトともいうべきセッション4「どこへ行く、沖縄の舞台芸術」においては、アートの創作現場の問題点や、その活動を支援する環境づくり等の課題が討議され、プロをどのように育てるか、観客を育てる・観客のニーズにいかに応えていくかを客席の参加者を巻き込みながら進行されたことはとても有意義でありました。
沖縄の舞台芸術は、中央への方向性ではなく広くアジアや環太平洋地域等をめざしたものにしたい。そのためには国際性を視野に入れた、よりグローバルな意味でのグローカル化をはかり、地域特性を活かしたアートマネジメントの必要性を痛感し、人材育成、行政の施策、企業メセナの理解が現時点では重要であるという認識に行き着きました。今後ともホールと実演家、市民がよりよい舞台芸術を創造する場の構築を推進していけたらと思います。
[沖縄市文化振興課、あしびなー副館長 照屋幹夫/01年7月]