まちにひろがるアート
開催日: | 1999年1月 14・15日 |
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開催地域: | 札幌 |
会場: | 札幌市教育文化会館 |
ジャンル: | 演劇 |
参加者数: | 225人 |
コーディネーター: | 札幌舞台芸術家協議会 松崎霜樹 |
北海道における舞台芸術周辺の環境整備と、将来的な展望を見据えた趣旨で開催の運びとなった「北海道舞台塾」は、現北海道知事の選挙公約にあった公立ホール「道立劇場(仮称)」設立実現のための、ソフトコンテンツづくりに向けての前哨戦である。
驚くべきことに、その共催として開催された今回のTAMは、「まちにひろがるアート~コミュニティシアターの可能性」と題されていたにもかかわらず地元舞台芸術関係者にしてみれば「意識外」の存在であったようだ。
延べ動員数1万人以上というお祭り的イベントのさ中、2日間に渡っておこなわれた本プログラムのうち「地域社会とアート」「コミュニティアートを担うシステム」などのセッションは、今後の公共ホールが担うべき役割を十分に示唆する内容であったのだが、残念ながら地元舞台芸術関係者の参加は皆無で、医療・福祉関係者や教育・生涯学習などに興味をもつ方々が大部分を占めていたし、その方々からの疑問の声もあった。
今回は「北海道舞台塾」のみならず「日本劇作家大会北海道大会」併催と、全体プログラムの多さもあり、別会場に分かれたことも原因のひとつと考えられるのだが、「コミュニティアート」や「地域社会」のキーワードは、北海道の舞台芸術関係者にとって興味を引かなかったようなのだ。地元舞台芸術関係者が、自分たちこそが「コミュニティアート」の当事者のひとりであることを、どの程度認識しているかを推測するうえでも、今回の共催というプログラムは興味深かったわけだ。
地域内のさまざまな「コミュニティアート」の活動が、地域の文化を育み、支えていくことは自明の理であり、今後、地元に密着した「アートプログラム」を生み出すうえでも「アートマネジメント講座」の周期的開催を望みたい。無論、舞台芸術関係者のみならず、さまざまなカテゴリーからの市民参加を願って。
[札幌舞台芸術家協議会代表 松崎霜樹/99年7月]