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「現代演劇の戦略」(シンポジウム・研究会@早稲田)
投稿者:
藤井慎太郎 E-mail
投稿日:
2005/09/25
場所:
 
ジャンル:
 
テーマ:
 
「演劇・国家・政治 現代演劇の戦略」 早稲田大学では、フランスのみならずヨーロッパの演劇研究の拠点となっているパリ第10大学より、エマニュエル・ヴァロン、ジャン・ジュルドゥイユ両教授を招聘し、現代演劇の表象=上演システムにおける「政治(性)」の問題を再考する研究会およびシンポジウムを開催することとなりました。 ジュルドゥイユ氏は、パトリス・シェローと並んで著名な演出家ジャン=ピエール・ヴァンサンの片腕として長年ドラマトゥルグを務め、彼自身演出家としてもフランス国内外で高い評価を受けています。フランスにおけるドイツ演劇の第一級の専門家・翻訳家として、ビュヒナー、ブレヒト、ハイナー・ミュラーをフランスに紹介した功績でも知られている、異色ともいえる演劇人・大学人です。 ヴァロン氏は、政治学と演劇学の両方を専門とする、これまたユニークな大学人・演劇人です。フランスそしてヨーロッパにおける文化政策のスペシャリストとして、文化省や演劇界との数々の仕事を実現させてきました。民主主義と古典悲劇を両立させた古代ギリシャ以来、演劇と政治が取り結んできた関係について、深い思考を展開しています。サーカス、大道芸の支援組織オール・レ・ミュールの会長も務められた経験の持ち主です。 このお二人に加えて、今回は、さらに豪華なゲスト陣が皆さんをお迎えします。10月1日のシンポジウムには、日本の演劇界を代表する批評家・西堂行人氏と演出家・宮沢章夫氏を迎え、フランスと日本における公共劇場と演劇教育の問題を考えます。さらに10月3・4日の研究会では、『ポストドラマ演劇』の著作によって世界的に知られている、ドイツの演劇研究者ハンス=ティース・レーマン氏と、エレン・ヴァロプル氏の参加も得られることとなりました。これだけの演劇人が集まります。ぜひともお見逃しなく、おいでください。すべての催しへの参加は無料ですが、会場準備のため、事前の申込みをお願いいたしております。fujiis@waseda.jpまで、件名を「現代演劇の戦略」とした上で、お名前、ご参加の日程、参加人数、当日連絡先を記したメールをお送り下さい。大勢の方々の参加を心よりお待ちしております。 なお、9月29・30日には、通訳なしでフランス語のみでおこなわれるセミネールも予定しております。関心のある方はfujiis@waseda.jpまで詳細をお問い合わせ下さい。 <プログラム概要> 2005年10月1日(土)14:00-17:00  シンポジウム「現代演劇の再創造 公共劇場と演劇教育の役割」 パネリスト エマニュエル・ヴァロン、ジャン・ジュルドゥイユ、西堂行人、宮沢章夫(日本語通訳つき) 会場 戸山キャンパス(文学部)36号館681教室 国家や地方自治体などの公権力が、文化の全面的な保証人となる制度は、その限界を見せ、今日、市場が支配する領域は世界的にますます拡大してきています。その中で、演劇人および劇場が手にしている自由もまた、変容しつつあります。文化が、民主主義の要請よりもマーケットの要請に左右されるようになる時代に、公共劇場は、そして演劇教育は、何をすることができるのか、何をすべきなのでしょうか。演出、劇作、批評、政策、さまざまな側面から演劇および演劇教育に関わる4人が議論します。 2005年10月3日(月)18:00-21:00  「現代演劇における < 国際性 > の系譜学」(日本語通訳つき) 講師 エマニュエル・ヴァロン、ジャン・ジュルドゥイユ コメント ハンス=ティース・レーマン、エレン・ヴァロプル 会場 西早稲田キャンパス14号館8階801会議室 今日、現代芸術が外部の他者(性)を志向することは、もはや自明のことにも思われます。特に20世紀後半には、国家の境界線は、乗り越えられるべき存在として位置づけられてきましたし、現在でも国際コラボレーションは、アーティストや行政にとっての需要は大きいものです。グロトフスキ、ブルック、ムヌーシュキン、バルバといった、戦後現代演劇の創始者たちにとっての「国際性」が持つ意味の差異を考えるとともに、現代演劇における国家とその境界線の意義をたどり直します。 2005年10月4日(火)18:00-21:00  「ヨーロッパ演劇の現在と未来」(日本語通訳つき) 講師 ハンス=ティース・レーマン、エレン・ヴァロプル コメント エマニュエル・ヴァロン、ジャン・ジュルドゥイユ 会場 西早稲田キャンパス14号館8階801会議室 紆余曲折を経ながら統合が進むヨーロッパにおいて、国民演劇としての各国演劇の総体ではないような、ヨーロッパ演劇を見出すことはできないでしょうか。現代演劇において、国家や文化を横断するような、「ポストドラマ的」な特徴を見出すことは可能ではないでしょうか。伝統、テクスト、身体、空間をキーワードに、境界の意味を改めて問い、ヨーロッパの演劇に見られる新しい政治性と社会性を考察します。 ******* 主催 早稲田大学21世紀COE演劇研究センター    早稲田大学演劇博物館    早稲田大学第一文学部演劇映像専修    日仏演劇協会 協力 東京大学表象文化論研究室    フランス大使館文化部    パリ第10大学演劇映画表象研究センター

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